2025年第2四半期(2Q) 医薬品売上ランキング【1Qからの変化と過去比較】

2025年2Qの医薬品売上ランキングが発表されました。トップ10の顔ぶれは大きくは変わらないものの、循環器・代謝系領域での動きが目立ちます。特にSGLT2阻害薬「フォシーガ」「ジャディアンス」がそろってランクインし、抗がん剤中心の構図に新たな風を吹き込んでいます。

2025年2Qランキング(トップ10)

  1. キイトルーダ(ペムブロリズマブ)
  2. リクシアナ(エドキサバン)
  3. オプジーボ(ニボルマブ)
  4. タケキャブ(ボノプラザン)
  5. デュピクセント(デュピルマブ)
  6. タグリッソ(オシメルチニブ)
  7. フォシーガ(ダパグリフロジン)
  8. エンレスト(サクビトリルバルサルタン)
  9. ジャディアンス(エンパグリフロジン)
  10. イミフィンジ(デュルバルマブ)

注目ポイント

  • 1位:キイトルーダ
     不動の王者として首位を堅持。免疫チェックポイント阻害薬市場では依然として圧倒的存在感。
  • 2位:リクシアナ
     抗凝固薬の代表格として引き続き堅調。心房細動治療における需要の高まりが背景にあります。
  • 3位:オプジーボ
     キイトルーダとの競合関係は続くものの、依然としてがん領域の中核薬。
  • 4位:タケキャブ
     1Qの5位からワンランクアップ。消化器領域での需要が底堅く、安定した売上推移を示しています。
  • 5位:デュピクセント
     引き続き高順位をキープ。アトピー性皮膚炎・喘息・鼻茸合併慢性副鼻腔炎など適応拡大により成長継続。
  • 7位:フォシーガ & 9位:ジャディアンス
     SGLT2阻害薬が2製品ランクイン。糖尿病だけでなく心不全・慢性腎臓病への適応が売上増加に直結。両剤の競合関係が市場の活性化を促しています。
  • 10位:イミフィンジ
     ランキング下位ながらも、非小細胞肺がんや胆道がん領域での使用拡大が続きます。

1Qからの変動まとめ

  • 上昇:タケキャブ(5位→4位)、ジャディアンス(新規ランクイン 9位)
  • 下降:デュピクセント(4位→5位)、エンレスト(7位→8位)、イミフィンジ(10位に踏みとどまるも低迷気味)
  • 脱落:アイリーア(前期9位 → 今期ランク外) 5月にバイオシミラー(後続品)が発売した影響でしょうか。

過去との比較から見える潮流

  • 抗がん剤の強さは依然不動
     キイトルーダ、オプジーボ、タグリッソ、イミフィンジといった免疫・分子標的薬が引き続きランキング上位を独占。
  • 心血管・代謝系薬剤の存在感が拡大
     リクシアナに加え、フォシーガ・ジャディアンス・エンレストが同時ランクイン。高齢化社会のニーズを反映しています。
  • 免疫疾患治療薬(デュピクセント)の定着
     2023年にランキング初登場して以来、毎期安定して上位を維持。免疫関連バイオ医薬の拡大トレンドを象徴ですね。

まとめ

2025年2Qランキングからは、

  • キイトルーダを筆頭とする抗がん剤の盤石な地位
  • SGLT2阻害薬2剤の同時ランクインという新潮流
  • 消化器・循環器・免疫疾患領域の堅実な伸び

が際立ちました。今後の焦点は、循環器・代謝領域でのSGLT2阻害薬のシェア争い、そして抗がん剤分野での新規バイオ医薬の登場に移りそうです。

2025年1Qの記事や過去の売上ランキングの記事はこちらを参照ください。

今回のデータは、IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社が報告したデータを引用し、それについてまとめています。

IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社

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