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【2024年11月20日発売】ルプキネスカプセル7.9mg(ボクロスポリン)の特徴、作用機序

 

みなさん、こんにちは。今回は2024年11月に新たに発売されたループス腎炎治療薬「ルプキネス」について、簡単にまとめました。

はじめに:ルプキネスとは

ルプキネス(一般名:ボクロスポリン)は、2024年11月に発売された免疫抑制剤で、全身性エリテマトーデス(SLE)によるループス腎炎(LN)を適応とする新規カルシニューリン阻害薬です。SLEの約半数に合併し、生命予後にも関わるLNに対して、T細胞の活性化を抑制することで治療効果を発揮します。

製品概要

作用機序と特徴

ルプキネスは、T細胞内でシクロフィリンと結合し、カルシニューリンという酵素を阻害します。これにより、T細胞のサイトカイン産生や活性化が抑制され、免疫反応の抑制が実現します。従来のカルシニューリン阻害薬に比べて、より選択的で作用が速やかな点が特徴とされています。

効能・効果・適応症

効能・効果:ループス腎炎(LN)
適応対象:活動性のLN患者(特にISN/RPS分類 Class III、IV、V)

用法・用量と投与時の注意点

通常、成人にはボクロスポリンとして1回23.7mgを1日2回経口投与します。投与開始時には、副腎皮質ステロイド剤およびミコフェノール酸モフェチル(MMF)の併用が推奨されます。腎機能障害やCYP3A4阻害薬併用時には用量調整が必要です。

相互作用・代謝経路

主にCYP3A4で代謝され、P糖蛋白やOATP1B1/1B3に対する阻害作用を持ちます。強いCYP3A4阻害薬(例:クラリスロマイシン)との併用は禁忌です。中等度の阻害薬(例:ジルチアゼム)とは慎重な併用が求められます。

食事の影響について

食後投与により血中濃度(Cmax)はわずかに低下し、AUCはやや上昇しますが、臨床的な影響は限定的とされています。服用のタイミングはできる限り一貫させるよう指導が望まれます。

主な副作用と安全性情報

主な副作用には、GFR低下(26.2%)、高血圧(20.6%)、上気道感染(24.0%)などがあり、重篤な感染症や急性腎障害には特に注意が必要です。定期的な腎機能と血圧のモニタリングが重要です。

処方時のチェックリスト(医師向け)

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

★アドバイス:患者さんには”水分をしっかり摂って、定期的な検査を忘れずに”とお伝えくださいね。

まとめ

ルプキネスは、ループス腎炎という難治性疾患に対して、新たな選択肢を提供してくれるお薬です。副作用管理をしっかり行いながら、患者さんのQOL向上に貢献していけるといいですね♪

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