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【2024年12月3日発売】アリッサ配合錠(エステトロール水和物/ドロスピレノン)の特徴、作用機序

みなさん、こんにちは。今回は2024年12月に新たに発売された月経困難症治療薬「アリッサ」について、簡単にまとめました。

はじめに:アリッサとは

アリッサ配合錠(一般名:エステトロール水和物/ドロスピレノン〈Estetrol Hydrate / Drospirenone〉)は、月経困難症の治療に用いられる低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)です。
月経困難症とは、月経に伴って発現する下腹痛、腰痛、腹部膨満感、頭痛、吐き気、憂うつ感などの日常生活に支障をきたす病的な症状のことで、日本人女性の約50〜80%が何らかの症状を経験するとされます。
中でも月経困難症が原因で仕事や学業を休む女性も少なくなく、患者のQOL(Quality of Life)に大きく影響しています。

製品概要

作用機序と特徴

アリッサは、排卵抑制作用および子宮内膜増殖抑制作用により、月経困難症の症状を軽減します。E4は天然型エストロゲンで、従来のエチニルエストラジオールよりも血栓症リスクが低い可能性が示唆されています。ドロスピレノンは抗ミネラルコルチコイド作用も有しており、浮腫や体重増加の抑制が期待されます。

効能・効果・適応症

月経困難症

用法・用量と投与時の注意点

1日1錠を毎日一定の時刻に、ピンク色の実薬錠から順に28日間連続経口投与します。29日目からは次のシートを開始し、出血の有無にかかわらず同様に継続します。

服用開始日は月経第1日目が望ましく、遅れた場合は妊娠予防のため、最初の1週間は他の避妊法を併用する必要があります。

相互作用・代謝経路

ドロスピレノンはCYP3A4で代謝されるため、強いCYP3A4阻害薬(例:ボリコナゾール)や誘導薬(例:リファンピシン)との併用に注意が必要です。カリウム保持薬やACE阻害薬との併用で高カリウム血症のリスクがあります。

食事の影響について

食後投与でドロスピレノンのCmaxが約25%減少する報告がありますが、臨床上大きな影響はないと考えられています。

主な副作用と安全性情報

主な副作用として、月経中間期出血(74.8%)、重度月経出血(16.8%)などが報告されています。重大な副作用として、静脈血栓塞栓症(VTE)が挙げられます。患者にはVTEのリスクや症状(下肢の痛み、胸痛、息切れなど)を事前に説明しておく必要があります。

処方時のチェックリスト(医師向け)

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

一言アドバイス:「飲み忘れに気づいたら、すぐに対処すれば大丈夫!不安なら薬局に相談してね。」

まとめ

アリッサは、より安全性に配慮されたLEP製剤として、月経困難症のQOL改善に貢献できるお薬です。患者さんのライフスタイルに合わせた継続的な服用サポートがカギですね。

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