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【2024年12月19日発売】アセノベル徐放錠500mg(アセノイラミン酸)の特徴、作用機序

みなさん、こんにちは。今回は2024年12月に新たに発売された縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー治療薬「アセノベル」について、簡単にまとめました。

はじめに:アセノベルとは

アセノベル徐放錠500mg(一般名:アセノイラミン酸〈Aceneuramic Acid〉)は、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(distal myopathy with rimmed vacuoles:DMRV)に対する国内初の治療薬で、筋力低下の進行抑制を目的として用いられます。 この疾患は、シアル酸合成に関わるGNE遺伝子の変異によって生じ、体幹から遠い部位の筋肉(手足)から萎縮・変性が始まる進行性の筋疾患です。 筋肉中のシアル酸濃度やシアリル化タンパク質の低下が報告されており、進行すると歩行や手指の機能が障害されます。日本国内の患者数は約400人と推定されており、指定難病に指定されています。

製品概要

作用機序と特徴

アセノベルは、GNEミオパチーの原因となるアセノイラミン酸(Aceneuramic Acid)の体内欠乏を補うことで、筋肉の低シアリル化状態を改善します。 これにより、筋組織の萎縮や線維化を抑え、筋力低下の進行を抑制すると考えられています。 本剤は経口投与が可能な徐放錠製剤であり、これまで治療手段が限られていた患者にとって重要な選択肢となることが期待されています。

効能・効果・適応症

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制

用法・用量と投与時の注意点

通常、成人にはアセノイラミン酸として1回2g(4錠)を1日3回、食後に経口投与します。 投与間隔は約8時間空けることが望ましく、規則的な服用が重要です。 本剤は徐放錠のため噛まずにそのまま服用してください。

相互作用・代謝経路

現在までに明確な薬物相互作用の報告はありません。 本剤は体内でN-アセチルマンノサミン(N-acetylmannosamine)およびピルビン酸(pyruvate)に代謝され、CYP(cytochrome P450)酵素への影響は少ないとされています。

食事の影響について

食後投与により吸収速度がやや低下する傾向はあるものの、総吸収量に大きな影響はありません。 そのため、食後投与が推奨されています。

主な副作用と安全性情報

臨床試験では、便秘、口角口唇炎、頭痛、発疹、四肢痛などが報告されています。 また、AST、ALT、γ-GTPの上昇尿中ケトン体陽性などの検査値異常にも注意が必要です。 なお、本剤には遺伝毒性未評価の不純物が含まれている可能性があり、事前に十分な説明と患者の同意を得る必要があります。

処方時のチェックリスト(医師向け)

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

一言アドバイス:「飲むタイミング、ちゃんと守ってね!体の力を守るためのお薬やで♪」

まとめ

アセノベルって、筋肉の力を守ってくれる新しい味方やね!毎日ちゃんと続けて、体の未来を守ろう♪

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