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アビガン(ファビピラビル)の特徴・作用機序

特徴的なポイント
・ 本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。なお、厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売をしてはいけない(条件付きの製造販売承認)。
・ 動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されている。
・ RNAポリメラーゼを阻害するため、インフルエンザウイルス以外のウイルス感染症(エボラ出血熱、ノロウイルスなど)にも効果が期待されている。

構造式または示性式

ファビピラビル(アビガン)

名前の由来

不明

ステム

抗ウイルス剤:-vir
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発売日

厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売されない(薬価未収載)。

メーカー

富士フイルム富山化学株式会社

適応

新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。)

作用機序

細胞内でリボシル三リン酸体(ファビピラビルRTP)に代謝され、ファビピラビルRTPがインフルエンザウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている。

代謝などに関して

本剤はチトクロームP-450(CYP)で代謝されず、主にアルデヒドオキシダーゼ(AO)、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により代謝される。また、AO及びCYP2C8を阻害するが、CYPの誘導作用はない。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピラジナミド 血中尿酸値が上昇する。 腎尿細管における尿酸の再吸収を相加的に促進させる。
レパグリニド レパグリニドの血中濃度が上昇し、レパグリニドの副作用が発現するおそれがある。 CYP2C8を阻害することにより、レパグリニドの血中濃度を上昇させる。
テオフィリン 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現するおそれがある。 XOを介した相互作用により本剤の血中濃度を上昇させることが考えられる。
ファムシクロビル
スリンダク
これらの薬剤の効果を減弱させるおそれがある。 本剤がAOを阻害することにより、これらの薬剤の活性化体の血中濃度を低下させることが考えられる。

重大な副作用

1. 異常行動(頻度不明)
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動 (急に走り出す、徘徊する等) があらわれることがある。

重大な副作用(類薬)

他の抗インフルエンザウイルス薬で次のような重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(1)ショック、アナフィラキシー
(2)肺炎
(3)劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
(4)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(5)急性腎障害
(6)白血球減少、好中球減少、血小板減少
(7)*精神神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)
(8)出血性大腸炎

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