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【2025年4月18日発売】アナエブリ皮下注200mgペン(ガラダシマブ)の特徴、作用機序

『みなさん、こんにちは。今回は2025年4月に新たに発売された遺伝性血管性浮腫発作抑制薬「アナエブリ皮下注200mgペン」について、簡単にまとめました。』

はじめに:アナエブリとは

アナエブリ(一般名:ガラダシマブ)は、CSLベーリング株式会社より2025年4月18日に発売された、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症抑制に用いるヒト抗活性化第XII因子(FXIIa)モノクローナル抗体製剤です。HAEは指定難病で、全身の皮下や消化管、上気道などに再発性・予測困難な腫脹発作を生じ、時に致死的となることもあります。患者さんやご家族のQOL向上のため、発作抑制の新規治療薬が求められていました。

製品概要

作用機序と特徴

ガラダシマブは、活性型第XII因子(FXIIa)の触媒ドメインに結合し、その活性を阻害します。これによりカリクレイン-キニン系の活性化を抑制し、炎症性メディエーターであるブラジキニンの産生を減少させることで、HAEの発作抑制効果を発揮します。ヒトIgG4モノクローナル抗体で、月1回の皮下注射による持続的な発作予防が可能です。

効能・効果・適応症

遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症抑制。成人および12歳以上の小児に適応があります。

用法・用量と投与時の注意点

通常、成人および12歳以上の小児には初回400mgを皮下注射し、以降は200mgを月1回皮下注します。投与部位は腹部・大腿部・上腕部で交替し、毎回部位を変えて投与します。注射部位や皮膚に異常がある場合は避け、冷蔵庫から取り出して室温に戻してから投与します。急性発作治療目的では使用せず、使用方法・意義を十分に説明したうえで投与します。

相互作用・代謝経路

本剤の主要な代謝経路は明記されていませんが、ヒトIgG4抗体として分解・排泄されます。併用薬との相互作用は報告されていません。抗薬物抗体が2.9%で検出されていますが、薬効への影響は明らかでありません。

食事の影響について

皮下注射製剤のため、食事の影響はありません。

主な副作用と安全性情報

副作用発現時は観察を十分に行い、重篤な場合は速やかに投与中止・対応が必要です。

処方時のチェックリスト(医師向け)

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

ケアポイント(看護師向け)

まとめ

『アナエブリは、月1回の自己注射で遺伝性血管性浮腫の発作予防ができる新しいお薬です。副作用や投与法のポイントを押さえつつ、安心して治療継続できるよう現場でサポートしていきたいですね。』

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