製薬業界の売上動向を示す「医薬品売上ランキング」。2025年1Qの最新データが公表されました。今年も免疫チェックポイント阻害薬を中心とした抗がん剤が上位を占めていますが、生活習慣病治療薬やアトピー性皮膚炎治療薬の存在感も増しています。
2025年1Qランキング(トップ10)
キイトルーダ(ペムブロリズマブ)
リクシアナ(エドキサバン)
オプジーボ(ニボルマブ)
デュピクセント(デュピルマブ)
タケキャブ(ボノプラザン)
タグリッソ(オシメルチニブ)
エンレスト(サクビトリルバルサルタン)
フォシーガ(ダパグリフロジン)
アイリーア(アフリベルセプト)
イミフィンジ(デュルバルマブ)
トップの顔ぶれと変動のポイント
1位:キイトルーダ
5年連続で首位を堅持。免疫チェックポイント阻害薬の王者としての地位を不動のものとしています。肺がん、胃がん、頭頸部がんなど適応拡大が続き、国内外での売上を牽引。2位:リクシアナ
抗凝固薬市場で頭角を現し、昨年からさらに順位を上げました。高齢化社会の進展もあり、今後も需要増が見込まれます。3位:オプジーボ
かつての王者ですが、ここ数年はキイトルーダに押され気味。それでも依然としてがん治療の中心薬であり続けています。4位:デュピクセント
2023年度に初のランクインを果たして以来、急上昇。アトピー性皮膚炎や喘息、慢性副鼻腔炎など幅広い免疫疾患領域でシェア拡大中です。5位以下の動向
タケキャブ(逆流性食道炎)、タグリッソ(肺がん)、フォシーガ(糖尿病・心不全・CKD)、エンレスト(心不全)、アイリーア(加齢黄斑変性)、イミフィンジ(肺がん)が顔を揃え、がん、循環器、生活習慣病、免疫疾患と幅広い領域がバランスよくランク入りしました。
過去3年との比較で見るトレンド
抗がん剤の強さは不変
キイトルーダとオプジーボを軸に、タグリッソ、イミフィンジといった免疫・分子標的薬が常連。抗がん剤の市場支配は今後も続く見通しです。生活習慣病治療薬の台頭
リクシアナ(抗凝固薬)、フォシーガ(SGLT2阻害薬)、エンレスト(ARNI)といった心血管・代謝系薬剤が順位を上げており、高齢化社会の医療需要を反映しています。新興勢力:デュピクセント
アトピー性皮膚炎をはじめとする免疫疾患治療で急速にシェアを拡大。他の免疫関連バイオ医薬の登場も予想され、今後ランキングの常連化が濃厚です。
まとめ
2025年1Qのランキングからは、
抗がん剤の強固な存在感
心血管・代謝領域薬剤の着実な伸び
免疫疾患治療薬の急成長
という3つの潮流が浮かび上がりました。今後も適応拡大・新薬の投入により、ランキングの顔ぶれは変化していくことが予想されます。
こちらの記事も参考にください。
今回のデータは、IQVIAソリューションズ ジャパン株式会社が報告したデータを引用し、それについてまとめています。