論文紹介のやり方と論文の選び方、読み方

研究室に所属している学生の多くは論文紹介をする機会があると思います。
ラボによっては論文紹介が卒業の単位の一つになっていることもあります。
しかし、論文をあまり読んだことのない学生にとっては簡単なものではありません。

そこで今回は、そんな論文紹介について

・行う必要性
・論文の選び方
・読み方
・説明の仕方

など、研究室生活に潜む論文発表をうまく乗り越えるためのテクニックをお伝えします。

▶関連記事:知っている人だけ得をする、英語の論文・文献を早く読む方法【オススメツールと辞書の紹介】

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論文紹介・ジャーナルクラブ(journal club)とは

研究室によって論文セミナー、抄読会、ジャーナルクラブなど呼び方は様々で、週一~週二で行われたりします。

名前の通り、自分が選んで読んだ論文を紙媒体やパワーポイントを使って紹介します。

多くの学生はできれば英語の論文なんて読みたくない!と思っているでしょう。
しかし、薬学が6年制になり、求められる能力である即戦力につながる

・知識
・情報収集力
・相手に伝える力
・英語力
・正しい情報かを判断する力
・人前で発表する力

などを得ることができます。

また、研究を長くやっている先生や大学院生の質疑や批判などを生で感じることができます。

ですので、研究室に配属されることのメリットでもあると言えます。
無駄にしないためにもしっかりと対策をしましょう!

紹介する論文の選び方、検索の仕方

どういった論文を選べばいいのか?
多くの研究室で、研究室のジャンルに近いもの、自分の研究に近いもので最近の知見が載った論文を紹介していると思います。
3年以内に発表された、Figure(図)が多くてストーリーが成り立っており、怪しくなさそうな論文が良いでしょう。

ただ、理想としては、発表が決まってから慌てて探すのではなく、自分の研究に関係してあって既に一読して(軽く目を通して)いるような論文を紹介できるのが理想です。

探し方①:検索

さて、そういった論文はどこから探すのがいいのでしょうか。
論文の検索で有名なところでいうと生命科学系分野ではPubMedがあります。
しかし、最近はオンラインジャーナルの普及により雑誌が大幅に増えたことによりPubMedに一部しか掲載されていない雑誌も増えてきているため、全世界の論文を探すことができるGoogle Scholarがオススメです。引用数も一目で分かりますし。

ですので、今回はGoogle Scholarを使ったオススメの探し方を簡単に説明します。

Google Scholarのページにいき、キーワードを英語で入れて検索します。


そのあと、左にある期間指定で3年前を入力。
特許と引用のチェックを外します。

そして興味のある論文をタイトルから探し、直接クリックか、右側に表示されているリンク、もしくは全??バージョンをクリックしてサイトの方へ飛びます。

大学によって購読している雑誌が異なるため、読みたいものが無料で読めないことも多々あると思います。
時々、有料で読めないのに全??バージョンというところにPDFの直リンクがあることがあります。

探し方②:引用文献から探す

自分がこれまで読んだ論文、レビューから面白そうなものを引用文献から辿るのもいいでしょう。
ただ、引用しているということは、その論文よりも過去の知見・発表となるので、古すぎない情報であることをしっかりと確認しておきましょう。

引用文献のタイトル数語、トップオーサー(一番最初にきている筆者)、雑誌名とページ番号、発刊年などをGoogle Scholarにいれるとすぐに引っかかると思います。

探し方③:日本語の記事を検索し、そこから引用を辿る

どうしても知識やボキャブラリーがない状態では、うまくキーワードをいれることができません。
そのため、Googleから日本語で検索を行い、そこからニュース記事や誰かのブログ、日本語の総説などを調べ、引用している雑誌へ飛ぶことで見つかるかもしれません。

常識を持った人が書いていれば、引用・参考にしたものは雑誌名や論文タイトルなどが記事と一緒に載っているはずです。

論文の読み方

雑誌によって違いますが、一般的な論文の構成はこんな感じです。

・タイトルと筆者、所属
・Abstract(要旨)
・Introduction(緒言、導入)
・Materials and methods(材料、方法)
・Results(結果)
・Discussion(考察)
・Conclusion(結論)
・Acknowledgement(謝辞)
・References(引用文献)

論文をストーリーで表すと

・このテーマ(最初は大きく)は非常に重要・有益・大事です。
・中でもこれは(少しずつ狭めていく)興味深いことです。
・しかし、未解決でわからないことがあります。
・そこで私たちは今回、○○を使って調べました。
・△△や□□により、こういったことを明らかにしました。
・今回得られた知見はこういったことに役立ちます。
・しかしまだ未解決な課題もあります。
・結論付けます。
・研究をサポートしてくれた人、助成金を出してくれたところへの感謝を述べます。
・これらの論文を引用しましたよ。

と、こんな感じでしょうか。

論文は一つのストーリーになっているので、このように展開されていくことを頭に入れているだけでどこに何が書いているのかがわかり、理解しやすくなると思います。

周辺知識が豊富であれば、読む順番はタイトル→アブストラクト→図とその説明(レジェンド)といけば論文の大まかな内容はわかるでしょう。
ただ、分野が外れているようであれば、イントロダクションやマテメソを読んで理解していきましょう。

ディスカッションは長いため、読むのに嫌気がさす人が多いと思います。
しかし、この章では論文の結果を考察しているだけでなく、周囲の研究との比較や今回の研究における課題、不確かな部分などの説明を行っています。
ですので、論文を完全に理解するにあたっては非常に重要な章になります。

論文紹介のやり方

研究室によって、紙媒体を使うのか、パワーポイントを使うのか違うと思いますが、紹介のやり方はそんなに違いはないのではないかと思います。
一つ例をあげてみると、

  1. Introduction(緒言、導入)で書かれているような研究の大きな背景の説明
  2. なぜこの論文を紹介しようと思ったのか
  3. この論文ではどういったことを行い、何が明らかになったのかを簡単に
  4. Figure(図)を使って、明かにしていったストーリーを一つずつ説明
  5. 結論と課題
  6. 批判的吟味(可能なら)

といった流れを補足資料(実験デザインをイラストにしたり、頻出語句や略称の説明)などを用いて紹介していきます。
余裕があれば引用論文、周辺論文に目を通しましょう。
研究室によって、20~60分近くと発表時間が様々ですので、時間配分に気を付けましょう。

ただ、準備した原稿を読むだけでなく、強調したいところはしっかりと説明し、ストーリーにあまり関係のないところは省略気味に説明など、発表に抑揚を付けるといいかもしれませんね。

まとめ

論文を読み、紹介をするということは、研究を始めて1~2年目の学生にとっては非常に難易度が高いものです。
しかし、自分にとってためになる機会であることは間違いありません。

発表の1週間前なのにまだ読めていない、などは結構厳しい状態です。
理解できていない状態で発表をしても、発表者が理解できていないのに聞いている側が理解できるはずがありません。

聞いてくれる先生方、他学生の時間を無駄に使わないように、しっかりと準備して抄読会・ジャーナルクラブに挑みましょう。

▶2017年5月20日投稿記事:
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