感染症の分類と考え方【感染症名一覧と覚え方】

感染症の分類と考え方【感染症名一覧と覚え方】

人類は昔から感染症の恐怖と戦い続けています。

ここ数年の間に日本でも、デング熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、腸管出血性大腸菌など、珍しい感染症の報告がありました。

そこで今回は、薬剤師国家試験の衛生分野で頻出である一類感染症から五類感染症の感染症を、定義だけでなく、感染症の名前を一覧で記し、覚え方を紹介します。

※最近騒がれている豚コレラは、コレラ菌が原因ではなく、ウイルスが原因の豚やイノシシ特有のウイルス性疾病であり、ヒトには感染しません。

一類感染症(7種類)

感染力と罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症。

全数把握。診断後は直ちに届け出が必要。

一類感染症の一覧

エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱

一類感染症の覚え方・ゴロ

一類感染症は危険性が極めて高い感染症であるので、ヤバい系のものと覚えておきましょう。

ゴロで個人的にいいなと思ったのは、「えらくまともなペット」。

二類感染症(7種類)

感染力と罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が高い感染症。

全数把握。診断後は直ちに届け出が必要。

二類感染症の一覧

急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9)

二類感染症の覚え方・ゴロ

二類感染症は、大体が咳が出るので咳出る系のものと覚えておきましょう。

ゴロで個人的にいいなと思ったのは、「じーさまの鳥ポッケ」。

三類感染症(5種類)

感染力と罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が高くないが、特定の職業(飲食業など)への就業によって感染症の集団発生を起こしうる感染症。

全数把握。診断後は直ちに届け出が必要。

三類感染症の一覧

コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス

三類感染症の覚え方・ゴロ

三類感染症は、大体が下痢をするので下痢する系のものと覚えておきましょう。

ゴロで個人的にいいなと思ったのは、「多い粉で咳こむチーフ達」。


四類感染症(44種類)

一類~三類感染症以外のもので、主に動物等を介してヒトに感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症(ヒトからヒトへは感染しない)

全数把握。診断後は直ちに届け出が必要。

四類感染症の一覧

E型肝炎、ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、サル痘、ジカウイルス感染症、重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)、腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、炭疽、チクングニア熱、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9H5N1)を除く)、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ病、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ボツリヌス症、マラリア、野兎病、ライム病、リッサウイルス、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱

四類感染症の覚え方・ゴロ

四類感染症はヒトーヒト感染しないので、動物のものと覚えておきましょう。

四類は多いのでゴロはなし。

五類感染症(48種類)

国が感染症発生動向調査を行い、その結果に基づき必要な情報を国民や医療関係者などに提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症(ヒトからヒトへ感染する)

22種類が全数把握。全数把握の対象は診断後7日以内に届け出が必要。
(※侵襲性髄膜炎菌感染症、風しん及び麻しんは直ちに届出)
26種類が定点把握。

五類感染症の一覧

【全数把握】アメーバ赤痢、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症、急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)、クリプトスポリジウム症、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、侵襲性インフルエンザ菌感染症、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症、水痘(入院例に限る)、先天性風しん症候群、梅毒、播種性クリプトコックス症、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染、百日咳、風しん、麻しん、薬剤耐性アシネトバクター感染症

【定数把握】RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎(侵襲性インフルエンザ菌感染症、侵襲性髄膜炎菌感染症及び侵襲性肺炎球菌感染症を除く)、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症

五類感染症の覚え方・ゴロ

五類感染症は一類~四類以外のものです。性感染症はここに分類されます。

五類も多いのでゴロはなし。

新型インフルエンザ等感染症

新型インフルエンザ:新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザ

再興型インフルエンザ:かつて世界的規模で流行したインフルエンザであって、その後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したもの

指定感染症

一類~三類および新型インフルエンザ等感染症に分類されない既知の感染症の中で、一類~三類に準じた対応の必要が生じた感染症(政令で指定、1年限定)

新感染症

人から人に伝播すると認められる感染症で、既知の感染症と症状などが明らかに異なり、その伝播力および罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症

おわりに

いかがでしたでしょうか。

四類感染症や五類感染症は数が多いために省略されがちで、一覧で全て見る機会はあまりないと思います。

聞いたことある感染症については、ウイルス感染症、細菌感染症を区別し、さらには媒介する生物や感染経路など、しっかりまとめて覚えておくことが国家試験には大事になると思います。