緊急安全性情報(イエローレター)が出ている薬一覧と国家試験出題の有無

薬剤師国家試験を受験する方であるならば、これまでに緊急安全性情報が出ている医薬品について詳しく知っておく必要性があると思います。

言い換えると、それに関連する問題や該当する医薬品が過去の国家試験に出やすいのではないかと推察できます。

そこで今回、これまで発表されている緊急安全性情報と該当医薬品の問題が約10年の間にどれくらい出ているのかを調べてみました。

安全性速報の記事はこちら
安全性速報(ブルーレター)が出ている薬一覧と国家試験出題の有無

※本記事は薬剤師ならびに薬剤師国家試験受験生などの薬学的知識のある人向けに作成しており、一般の方への情報提供を目的としておりません。

- 目次 -

緊急安全性情報とは

緊急に安全対策上の措置をとる必要があると判断された場合、厚生労働省からの配布指示に基づき、製造販売業者が作成する情報です。

本情報には、警告欄への新たな記載、死亡症例に基づく使用上の注意の改定、安全性を事由にした回収など、緊急かつ重要な副作用情報について、症例の発生経過や対処の方法などを詳細に記載されています。
厚生労働省の指示により、製薬企業から1か月以内に医療関係者に配布されます。また、原則として、現在は国民(患者)向けの資料を作成されることとなっています。

これまで発表されている緊急安全性情報の医薬品と副作用、国家試験への出題

※過去の国家試験の出題において、緊急安全性情報のついて問われているもの、若しくはその副作用について問われているものについては赤字で問題番号を示しています。

平成19年3月 タミフル服用後の異常行動について

商品名:タミフルカプセル75, ドライシロップ3%
一般名:オセルタミビル
副作用:異常行動

オセルタミビルが問題文に含まれている過去問:
102回問186、100回問345、99回問39、97回問58、97回問165、96回問233、95回問11、95回問218、94回問223、92回問147、92回問216

平成15年9月 経口腸管洗浄剤(ニフレック®)による腸管穿孔及び腸閉塞について

商品名:経口腸管洗浄剤(ニフレック)
含有物:塩化ナトリウム, 塩化カリウム, 炭酸水素ナトリウム, 無水硫酸ナトリウム
副作用:腸管穿孔及び腸閉塞
【既に販売中止】

経口腸管洗浄剤が問題文に含まれている過去問:
なし

平成15年3月 ガチフロ錠100mg投与による低血糖及び高血糖について

商品名:ガチフロ錠100mg
一般名:ガチフロキサシン
副作用:低血糖及び高血糖
【既に販売中止】(現在は点眼液のみ)

ガチフロキサシンが問題文に含まれている過去問:
92回問231

平成14年11月 抗精神病剤セロクエル25mg錠、同100mg錠(フマル酸クエチアピン)投与中の血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡について

商品名:セロクエル錠25mg, 100mg
一般名:クエチアピン
副作用:血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡

クエチアピンが問題文に含まれている過去問:
100回問296、97回問221、95日問126、91回問124

平成14年10月 ラジカット注30mg(エダラボン)投与中又は投与後の急性腎不全について

商品名:ラジカット注30mg
一般名:エダラボン
副作用:急性腎不全

エダラボンが問題文に含まれている過去問:
101回問29、97回問156、96回問128、92回問127、92回問231

平成14年10月 イレッサ®錠250(ゲフィチニブ)による急性肺障害、間質性肺炎について

商品名:イレッサ錠250
一般名:ゲフィチニブ
副作用:急性肺障害、間質性肺炎

ゲフィチニブが問題文に含まれている過去問:
102回問332、101回問65、101回問165、101回問222、100回問70、100回問333、99回問40、99回問300、99回問334、97回問61、96回問20496回問23394回問232、93回問149、92回問23191回問196

平成14年7月 塩酸チクロピジン製剤(パナルジン®錠・細粒)による重大な副作用の防止について

商品名:パナルジン錠100mg, 10%細粒
一般名:チクロピジン
副作用:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症および重篤な肝障害
※2回目

チクロピジンが問題文に含まれている過去問:
101回問36、101回問216、100回問254、100回問255、99回問162、99回問220、99回問221、97回問327、96回問233、95回問219、94回問232、93回問206、93回問235、92回問231、91回問138、91回問220

平成14年4月 抗精神病薬ジプレキサ®錠(オランザピン)投与中の血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡について

商品名:ジプレキサ錠2.5mg, 5mg, 10mg
一般名:オランザピン
副作用:血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡

オランザピンが問題文に含まれている過去問:
102回問297、101回問187、100回問196、97回問189、97回問246、97回問247、92回問231

平成12年11月 インフルエンザ脳炎・脳症患者に対するジクロフェナクナトリウム製剤の使用について

商品名:ジクロフェナクナトリウム製剤
一般名:ジクロフェナクナトリウム
副作用:インフルエンザ脳炎・脳症患者に対して用いると予後悪化

ジクロフェナクが問題文に含まれている過去問:
102回問104、102回問226、102回問227、101回問38、101回問342、100回問260、100回問261、99回問322、99回問323、98回問204、98回問205、98回問194、97回問163、94回問131、94回問232、93回問229、92回問130、91回問128、91回問204

平成12年10月 塩酸ピオグリタゾン投与中の急激な水分貯留による心不全について

商品名:アクトス錠15, 30
一般名:ピオグリタゾン
副作用:急激な水分貯留による心不全

ピオグリタゾンが問題文に含まれている過去問:
102回問59、102回問340、101回問258、101回問259、100回問36、100回問208、100回問209、100回問234、99回問59、99回問161、98回問82、97回問63、97回問160、97回問301、96回問145、96回問219、95回問145、94回問144、92回問193

平成12年2月 尿酸排泄薬ベンズブロマロン(ユリノーム、ユリノーム25mg)による劇症肝炎について

商品名:ユリノーム25mg, 50mg
一般名:ベンズブロマロン
副作用:劇症肝炎

ベンズブロマロンが問題文に含まれている過去問:
102回問184、102回問246、102回問247、101回問35、97回問195、97回問212、97回問213、96回問147、96回問233、95回問238、95回問239、95回問240、94回問146、94回問197、94回問232、92回問230

平成11年6月 塩酸チクロピジン製剤(パナルジン錠・細粒)による血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)について

商品名:パナルジン錠100mg, 10%細粒
一般名:チクロピジン
副作用:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

チクロピジンが問題文に含まれている過去問:
101回問36、101回問216、100回問254、100回問255、99回問162、99回問220、99回問221、97回問327、96回問233、95回問219、94回問232、93回問206、93回問235、92回問231、91回問138、91回問220

平成10年12月 「ウィンセフ点滴用」投与中の痙攣、意識障害について

商品名:ウィンセフ点滴用
一般名:セフォセリス
副作用:痙攣、意識障害
【既に販売中止】

セフォセリスが問題文に含まれている過去問:
なし

平成10年8月 オダイン錠(フルタミド)による重篤な肝障害について

商品名:オダイン錠125mg
一般名:フルタミド
副作用:重篤な肝障害

フルタミドが問題文に含まれている過去問:
101回問34、99回問291、97回問289、96回問233

平成9年12月 ノスカール(トログリタゾン)による重篤な肝障害について

商品名:ノスカール
一般名:トログリタゾン
副作用:重篤な肝障害
【既に販売中止】

トログリタゾンが問題文に含まれている過去問:
なし

平成9年7月 カンプト注(塩酸イリノテカン)と骨髄機能抑制について

商品名:カンプト注
一般名:イリノテカン
副作用:骨髄機能抑制

イリノテカンが問題文に含まれている過去問:
102回問187、102回問264、102回問266、102回問267、99回問40、99回問192、99回問222、99回問223、99回問291、99回問300、99回問324、98回問49、99回問302、99回問303、97回問40、97回問286、96回問11、96回問204、93回問194、91回問146、91回問196、

さいごに

ここ数年は緊急安全性情報が発表されていませんが、過去に発表された医薬品について薬剤師国家試験によく出ているものがいくつか含まれていることがわかります。

薬剤師国家試験の問題になる、ということは薬剤師になるにあたって知っておくこと、ということになると思います。

ですので、薬剤師国家試験の受験生はこれらの医薬品の特徴、副作用、ならびに出題傾向をしっかりと押さえておきましょう。

安全性速報の記事はこちら
安全性速報(ブルーレター)が出ている薬一覧と国家試験出題の有無

本記事は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 緊急安全性情報(イエローレター)・安全性速報(ブルーレター)のページ(https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/esc-rsc/0001.html)から緊急安全性情報の情報を抜粋して記載しています(事前許可取得済)。

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