この記事でわかること
- パーキンソン病の病態とwearing-off現象が起こる理由
- 進行期パーキンソン病の治療選択肢(デバイス補助療法)の概要
- ヴィアレブ配合持続皮下注(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)の作用機序・特徴・用法
- デュオドーパ配合経腸用液との具体的な違い・使い分け
- 主な副作用と注入部位管理のポイント
- 在宅での保険算定(持続皮下注入シリンジポンプ加算)の概要
- iPS細胞治療「アムシェプリ®」が2026年5月に保険適用済み・ヴィアレブとの位置づけの違い(詳細は別記事)
- ヴィアレブの導入は通常入院が必要だが専門施設では外来導入の例もある・安定後は在宅・外来管理へ移行できる点と、薬剤師の関わり方
- 施設入居者(特養・老健・有料老人ホーム・サ高住)へのヴィアレブ導入可否と保険算定の違い
- 在宅移行後の訪問看護・持続皮下注入シリンジポンプ加算・特別管理加算の算定ポイント
- 患者・家族への説明で使えるQ&A
パーキンソン病ってどんな病気?まず基礎から整理しよう
パーキンソン病(PD)は、中脳の黒質線条体系のドパミン作動性ニューロンが進行性に変性・脱落していく慢性神経変性疾患です。日本でのPD有病率は10万人あたり100〜180人程度とされており、加齢も発症に寄与していることから、高齢化社会の進行に伴い今後さらに患者数が増加することが予想されています。
主な臨床症状は、運動症状(動作緩慢・筋固縮・振戦・姿勢反射障害)と、非運動症状(自律神経症状・うつ・睡眠障害・認知症など)の2軸で構成されます。これらが複合的に患者のQOLを低下させていくのがこの疾患の難しさです。

パーキンソン病は「ドパミンが減る病気」ってざっくり知っている患者さんが多いですが、実際には運動症状だけでなく、便秘・起立性低血圧・レム睡眠行動障害など非運動症状が先行して出ることもあります。初診前から何年も症状があったというケースも珍しくないんです。
治療の柱はレボドパ補充療法
現在の治療の中心はレボドパ(L-DOPA)補充療法です。レボドパは血液脳関門を通過して脳内でドパミンに変換されますが、そのまま経口投与すると末梢で代謝されてしまうため、末梢のDOPAデカルボキシラーゼを阻害するカルビドパと組み合わせて使うのが基本です(メネシット®、ネオドパストン®など)。
初期〜中期は経口レボドパ製剤でよくコントロールできますが、罹病期間が長くなるにつれて「wearing-off現象」が問題になってきます。
wearing-off現象とは?
wearing-offとは、投与間隔の終わりに薬効が切れてきて運動症状が再出現する現象です。病状が進行するにつれてドパミンを蓄えるニューロン数が減少し、血中レボドパ濃度の変動がダイレクトに運動症状のon/offとして現れるようになります。
「オン」は症状がよくコントロールされている状態、「オフ」は症状が再出現している状態を指します。オフ時間が増えると患者は転倒リスクが高まり、日常生活・社会参加が著しく制限されます。

wearing-offは「薬の効き目がもつ時間が短くなる」イメージで患者さんに伝えています。「飲んでしばらくはよく動けるけど、次の服薬前になると体が固まってしまう」という訴えがあったら、ぜひ処方医や専門医に相談するよう声がけしてみてください。
進行期パーキンソン病の治療:デバイス補助療法(DAT)の登場
経口薬の調整だけではwearing-offのコントロールが難しくなってきたとき、選択肢に入るのがデバイス補助療法(Device-Aided Therapy; DAT)です。日本で使用可能な主なDATとしては以下の3種類があります。
- 脳深部刺激療法(DBS):視床下核などに電極を植え込み、電気刺激で症状を制御する外科的治療
- デュオドーパ配合経腸用液(LCIG):経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行い、空腸へ直接レボドパ/カルビドパを持続投与
- ヴィアレブ配合持続皮下注(CSCI):胃瘻不要、腹部などへの皮下投与で24時間持続投与
このうち今回のメインテーマが、2022年12月に国内承認されたヴィアレブ配合持続皮下注です。
ヴィアレブ配合持続皮下注とは?作用機序・特徴をわかりやすく解説
成分・製剤の基本情報
ヴィアレブ配合持続皮下注は、ホスレボドパ(foslevodopa)/ホスカルビドパ水和物(foscarbidopa)を有効成分とする配合注射液です。
重要なのは「プロドラッグ」であるという点。ホスレボドパ・ホスカルビドパはそれぞれレボドパ・カルビドパのリン酸エステル型プロドラッグで、水溶性が高いため高濃度製剤として製剤化が可能です。皮下に投与されたあと、体内のホスファターゼによって速やかにレボドパ・カルビドパに変換されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物 |
| 販売名 | ヴィアレブ配合持続皮下注 |
| 製造販売元 | アッヴィ合同会社 |
| 規格 | 1バイアル(10mL)中:ホスレボドパ2400mg / ホスカルビドパ120mg |
| 薬価(10mL 1瓶) | 13,277円 |
| 承認日 | 2022年12月23日 |
| 薬価収載日 | 2023年5月24日 |
| 保管 | 室温(30℃以下)での保管は28日間以内 |
適応と用法・用量の考え方
効能・効果:レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
投与は専用の輸液ポンプ「ヴィアフューザー®」を使用して行います。投与方法は3ステップで構成されています。
- 負荷投与:オフ状態で投与を開始する場合に、症状を速やかにコントロールするため持続投与開始直前に行う
- 持続投与:日中の血漿中レボドパ濃度を安定させるための24時間持続投与
- 追加投与:日中に急性のオフ症状が現れた場合に患者自身が行う
投与量の計算は、「本剤投与前の覚醒時間(通常16時間/日)に服用したすべてのレボドパ含有製剤の合計量」をもとに算出します。COMT阻害剤を24時間以内に使用している場合はレボドパ量の合計に1.33を乗じて補正します。1日総投与量の上限はレボドパ換算量2840mg(16.67mL)を超えてはなりません。
注入速度は0.01mL/時間(レボドパ約1.7mg/時間相当)単位で細かく調節でき、夜間減量・日中増量など患者の活動量に合わせた柔軟な設定が可能です。

COMT阻害剤(エンタカポンなど)を使っているかどうかで計算が変わります!切り替え前の経口レボドパ量の確認・医師とのダブルチェックは薬剤師の出番ですね。しっかり確認しましょう。
投与部位と管理のポイント
本剤は皮下にのみ投与します。臍から半径5cmの部位を避け、腹部への皮下投与が望ましいとされています。腕や大腿部への長期投与の安全性・有効性は確立していません。
注入部位感染のリスク低減のため、投与部位を変えながら少なくとも3日ごとに新しい輸液セットを使用すること。新たな投与部位は、過去12日間に使用した部位から2.5cm以上離すことが望ましいとされています。

輸液セットは3日に1回交換、シリンジ・バイアルアダプタは毎日交換と覚えておいてください。患者さんや家族への操作指導がとても重要!アッヴィ社のサポートサイト(vyalev.jp)に動画マニュアルも用意されているので、一緒に確認することをおすすめします。
デュオドーパとヴィアレブ、何が違うの?
同じアッヴィ社から販売されていて、どちらも「進行期パーキンソン病のwearing-offを改善する持続投与製剤」という立ち位置のふたつ。何が違うのか、整理してみましょう。
| 比較項目 | デュオドーパ配合経腸用液 | ヴィアレブ配合持続皮下注 |
|---|---|---|
| 成分 | レボドパ/カルビドパ水和物 | ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物(プロドラッグ) |
| 投与経路 | 経腸(胃瘻→空腸) | 皮下注射 |
| 手術の要否 | PEG(胃瘻造設術)が必要 | 不要 |
| 投与時間 | 最長16時間(日中のみ) | 24時間持続投与が可能 |
| 血中濃度の安定性 | 腸管吸収に依存 | 腸内環境に左右されない |
| 適用対象 | 手術に耐えられる患者 | 手術が困難な患者にも選択肢 |
最大の違いは「手術が不要である」こと。デュオドーパはPEGによる胃瘻造設が前提となるため、外科的介入のリスクが懸念される高齢者や全身状態が低下した患者への適用には慎重な判断が必要でした。
一方ヴィアレブは皮下注射のみのため、外科的処置なしに持続投与療法を導入できる点が大きなメリットです。また、経腸持続投与と異なり腸内環境に左右されず、安定した血中濃度が得られるため、オフ時間の短縮とオン時間の延長が期待されます。
血漿中レボドパ濃度の推移についても、添付文書に記載された第I相臨床試験のデータでは、ヴィアレブ持続皮下投与(16時間まで)とデュオドーパ持続空腸投与の血漿中レボドパ濃度推移は類似しており、CmaxおよびAUCの比の90%信頼区間は0.8〜1.25の範囲内であることが示されています。薬物動態的に同等と考えてよい根拠があります。

「ヴィアレブはデュオドーパの皮下注バージョン」と理解するとスッキリします。ただしデュオドーパは空腸に直接届けるぶん、胃内消化の影響を受けにくい一方で胃瘻管理が必要。どちらが患者さんに向いているかは、手術リスク・生活スタイル・介護環境など総合的に専門医と判断することになります。
主な副作用と注意事項
注入部位関連事象(最重要)
臨床試験において、本剤の投与により高頻度に注入部位関連事象が認められており、重篤な注入部位蜂巣炎や注入部位膿瘍により投与中止に至った例も報告されています(添付文書 5.1項)。これが最も注意すべき副作用です。
その他の主な副作用
第III相臨床試験において10%以上の頻度で経口製剤を上回る発現率が確認された副作用は、注入部反応・幻覚症状・ジスキネジアでした(アッヴィ社プレスリリース 2024年11月)。
- 幻覚・精神症状:特にドパミン受容体作動薬との併用時は発現頻度が高まる可能性あり。幻覚が出現した場合は減量・中断を検討
- ジスキネジア:投与量が多すぎると不随意運動が生じる。細やかな用量調節が重要
- 悪性症候群:急激な減量・中止時に注意
- 衝動制御障害:病的賭博・性欲亢進・強迫性購買・暴食など
検査値への影響も忘れずに
ニトロプルシドナトリウム水和物の検尿テープによる尿検査ではケトン体が偽陽性になる場合があります。また、ブドウ糖酸化酵素法による尿糖検査では偽陰性になる場合があります。在宅療養中の患者さんで尿検査を行う際は要注意です。

患者さんが「尿糖が出なくなった」「ケトンが出た」と言ってきたら、まずヴィアレブの影響を疑ってみてください。薬の干渉チェックは薬剤師も知っておく事柄の一つですね。
制度・報酬関連の情報
在宅での算定:持続皮下注入シリンジポンプ加算
ヴィアレブを在宅(自己注射)で使用する場合、月当たりに使用する輸液セットの個数に応じて「持続皮下注入シリンジポンプ加算」として2,330〜4,820点の算定が可能です(2023年5月 厚生労働省通知)。この加算にはシリンジポンプを使用する際に必要な輸液セット・その他療養上必要な医療材料の費用が含まれており、別途算定することはできません。

輸液セットは3日に1回交換推奨のため、月のセット使用個数が算定点数に直結します。処方内容・交換頻度を把握した上で医療機関と連携しましょう。保険算定の詳細はアッヴィ社の医療関係者向けサイト(a-connect.abbvie.co.jp)に算定説明資料がありますので合わせてご確認ください。
ヴィアレブの外来・在宅導入は可能?入院との関係と在宅移行後の管理を整理
デバイス補助療法の導入で患者さんや家族がよく気にするのが「入院しなきゃいけないの?」という点です。ヴィアレブは通常は入院での導入が標準的なプロトコルですが、PDナース(パーキンソン病専門看護師)が在籍するような専門施設では外来での導入に対応しているケースもあります。安定後は在宅・外来管理へ移行できます。
導入は通常入院で。専門施設では外来導入の例も
ヴィアレブは経口薬からの切り替えに際して、投与量の個別調整(ティトレーション)とポンプ操作の習熟が必要です。多くの施設では通常10日程度の入院のうえ、ポンプ操作・カニューレ交換・緊急時対応などを患者本人または介護者が習得するプロトコルが採用されています(アッヴィ社 ヴィアレブ適正使用情報)。一方、PDナース(パーキンソン病専門看護師)が在籍する専門施設では、3日間の外来指導で導入し医師が効果判定・用量調節を行うケースもあります。どちらの方法で導入できるかは施設の体制によるため、主治医・専門医に確認することが重要です。
入院中に行う主な内容は以下の通りです。
- 経口レボドパ量をもとにした初期投与速度の設定と個別調整
- 輸液ポンプ(ヴィアフューザー®)の操作習得(負荷・持続・追加投与の切り替え)
- カニューレ・輸液セット・シリンジの交換手技の指導
- 注入部位の観察と感染兆候の確認方法の習得
- ポンプ故障・一時中断時の経口製剤への切り替え対応の確認
安定後は在宅・外来管理へ移行
患者・介護者がポンプ操作に習熟し、投与量が安定した後は、在宅での自己管理に移行できます。その後は定期的な外来フォローで投与速度の微調整や注入部位感染の確認を行っていく流れになります。
この点はデュオドーパ(経腸投与)と同様に入院導入が必要である一方、胃瘻造設という外科的処置が不要なぶん、導入のハードルはヴィアレブのほうが低いといえます。

在宅移行後は調剤薬局からの薬剤供給、訪問看護による注入部位管理、かかりつけ医との連携が重要になります。「うちで扱える?」と思うかもしれませんが、介護保険の訪問看護でもヴィアレブ使用中は特別管理加算Ⅰが算定できる点は押さえておきたいですね。在宅チームの一員として薬剤師がしっかりフォローできる環境づくりが大切です。
ヴィアレブは施設入居者に使える?特養・老健・有料老人ホーム・サ高住で異なる算定ルール
「施設に入居していたら、入院しなくてもヴィアレブを導入できるのでは?」という疑問は現場でも出てくるポイントです。結論からいうと、施設の種類によって医療保険の算定可否が異なるため、一律に「施設入居=入院不要で導入可」とはいえません。
PDナース(パーキンソン病専門看護師)が在籍する一部の専門施設で対応可能としているところがあるようです。
ヴィアレブの在宅管理に必要な「在宅自己注射指導管理料」「持続皮下注入シリンジポンプ加算」は、入院中の患者には算定できない在宅療養指導管理料です。施設入居者については以下のように整理されます。
| 施設の種類 | 医療保険の在宅算定 | ヴィアレブ導入の考え方 |
|---|---|---|
| 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 算定可(居宅扱い) | 在宅と同様に導入・管理が可能 |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 算定可 | 在宅と同様に導入・管理が可能 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 原則算定不可 | 施設内での導入・在宅算定は困難 |
| 介護老人保健施設(老健) | 算定不可(院外処方せん発行不可) | 施設内での導入・在宅算定は困難 |
つまり、有料老人ホームやサ高住の入居者であれば、居宅と同様に扱われるため、入院を経て在宅(施設内)管理へ移行することが可能です。一方、特養・老健の入所者は医療保険の在宅算定ができないため、ヴィアレブの継続管理の枠組みが整いません。
なお、導入方法(入院か外来か)は施設の種類とは別の問題です。入院で導入した場合は退院後に居宅(有料老人ホーム等)に戻り在宅管理として継続するのが一般的な流れです。PDナースが在籍する専門施設で外来導入できた場合も、その後の継続管理は居宅扱いの施設であれば在宅算定の枠組みで継続できます。

「施設に住んでいるけどヴィアレブを使いたい」と相談されたら、まずその施設が「特養・老健か、それとも有料老人ホーム・サ高住か」を確認するのが最初のステップです。算定の枠組みが全然違うので、主治医・施設担当者と一緒に早めに整理しておくと安心ですよ。
【関連情報】iPS細胞治療「アムシェプリ®」が2026年5月に保険適用
ヴィアレブが「ドパミンを補充し続ける」対症療法であるのに対し、2026年3月にはiPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を脳内に移植する「アムシェプリ®(ラグネプロセル)」が世界初のiPS細胞由来再生医薬品として承認を取得。2026年5月20日には薬価収載(18瓶1組55,306,737円・高額療養費制度適用)も完了しました。
ただし、アムシェプリ®は全身麻酔下での定位脳手術(入院)が必須で、当面は認定7施設・約35例の限定的な実施となります。ヴィアレブとはアプローチが根本的に異なり、「どちらがよいか」ではなく患者の状態・施設へのアクセスに応じた選択となります。
作用機序・治験データ・薬価・施設要件・患者への説明方法など、アムシェプリ®の詳細は別記事で解説しています。

患者さんから「iPS細胞の治療も気になる」と言われたら、「すでに承認・保険適用されていますが、実施できる施設・症例がとても限られています。まず専門医に相談してみましょう」とお伝えするのがスムーズです。詳しくは別の記事もぜひ読んでみてください!
患者・家族への説明Q&A
Q. この注射(ヴィアレブ)はなぜ「持続」して投与するの?
飲み薬のレボドパは、飲んでから効くまでに時間がかかり、また時間が経つと効果が切れてしまいます(wearing-off)。注射でゆっくり持続的に投与することで血液中のレボドパ濃度をできるだけ一定に保ち、オフの時間を減らすことが目的です。
Q. ヴィアレブは手術しなくていいの?
はい、手術は不要です。お腹の皮膚の下(皮下)に細い針を刺してポンプにつなぐだけです。同じような薬でデュオドーパというものもありますが、あちらは胃に穴を開ける手術が必要でした。ヴィアレブはその必要がありません。
Q. 注射部位が赤くなったり、腫れてきたらどうすればいい?
注射する場所の皮膚が赤くなる・腫れる・痛みが出るというのは比較的よく起こる副作用です。少なくとも3日に1回は部位を変えて使うことが大切です。ただし赤みが広がったり発熱を伴う場合は感染が起きている可能性がありますので、すぐに医療機関に連絡してください。
Q. 「見えないものが見える」気がするのは薬のせい?
パーキンソン病の治療薬全般に幻視(実際にはいないものが見える)が起きることがあります。ヴィアレブを使っているときも同様です。特に他のドパミン系の薬と一緒に使っている場合は注意が必要です。驚かれると思いますが薬が原因のことが多いので、必ず担当医や薬剤師に伝えてください。
Q. アムシェプリ®(iPS細胞治療)も気になっています。詳しく知りたい
アムシェプリ®は2026年3月に承認、5月に薬価収載された世界初のiPS細胞由来再生医薬品です。ヴィアレブとはアプローチが根本的に異なり、脳への細胞移植(入院・手術必須)となります。当面は全国7施設程度での限定的な実施となるため、気になる場合はまず専門医にご相談ください。
Q. ヴィアレブは在宅で使えますか?退院後も続けられるの?
はい、導入後に操作に慣れた後は、在宅での継続使用が可能です。退院後は専用ポンプ(ヴィアフューザー®)を携帯しながら日常生活を送ることができます。アッヴィ社による24時間365日対応のコールセンター(看護師資格を有した専門スタッフが対応)や、治療開始後3か月間・計5回のスマイルサポート(専門スタッフからのフォロー電話、申込制・無料)なども用意されています。
在宅での使用には「在宅自己注射指導管理料(複雑な場合:1,230点)」および「持続皮下注入シリンジポンプ加算(2,330〜4,820点)」が算定できます。訪問看護を利用する場合は介護保険で特別管理加算Ⅰも算定可能です。
Q. 老人ホームに入居していてもヴィアレブは使えますか?
入居している施設の種類によって異なります。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)であれば、在宅と同じ扱いになるため使用可能です。退院後に施設に戻り、在宅管理として継続することができる場合がありますので、相談してみてください。
一方、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)の入所者は、医療保険の在宅療養指導管理料が算定できないため、継続管理の枠組みが整わず使用が困難です。どの施設に入居しているかを担当医に伝え、使用可能かどうか事前に確認することをおすすめします。
Q. ヴィアレブを使いながら外来通院できますか?
はい、安定後は定期的な外来通院でフォローしていく形になります。外来では投与速度の微調整、注入部位の状態確認、幻覚・ジスキネジアなど副作用のチェックを行います。在宅自己注射指導管理料は外来で算定する管理料ですので、外来受診のたびに必要な確認・指導が行われます。ポンプ操作に慣れた後は、日常生活の中で携帯しながら普通に外来通院することが可能です。
まとめ
- パーキンソン病の進行期に生じるwearing-off現象への対策として、デバイス補助療法(DAT)が重要な選択肢となっている
- ヴィアレブ配合持続皮下注は、ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物を成分とするプロドラッグ型の持続皮下注射剤で、2022年12月に国内承認・2023年5月に薬価収載された
- デュオドーパ(経腸投与)と比べ、胃瘻造設術が不要・24時間投与が可能・腸内環境に左右されない安定した血中濃度維持という特徴がある
- 最大の注意点は注入部位感染。清潔操作と定期的な投与部位の変更(3日ごと)が必須
- 幻覚・ジスキネジア・衝動制御障害にも注意。検尿への影響(ケトン体偽陽性・尿糖偽陰性)も覚えておく
- 通常は10日程度の入院で導入・用量調整を行うが、PDナースが在籍する専門施設では外来導入(3日間の指導)に対応しているケースもある。安定後は在宅・外来管理へ移行可能。在宅では在宅自己注射指導管理料(複雑な場合1,230点)+持続皮下注入シリンジポンプ加算(2,330〜4,820点)、訪問看護では特別管理加算Ⅰが算定できる
- 施設入居者への対応は施設種別で異なる。有料老人ホーム・サ高住・グループホームは在宅扱いで使用継続が可能。特養・老健は在宅療養指導管理料の算定ができず導入困難
- iPS細胞由来治療薬「アムシェプリ®」は2026年3月承認・5月薬価収載済み。ヴィアレブとは根本的にアプローチが異なる細胞移植治療(詳細は別記事を参照)
参考情報
- ヴィアレブ配合持続皮下注 電子添付文書(アッヴィ合同会社、2024年2月改訂)
- アッヴィ合同会社 プレスリリース「ヴィアレブについて米国FDA承認取得」2024年11月14日
- 厚生労働省 保険局医療課事務連絡「持続皮下注入シリンジポンプ加算に係る保険適用について」2023年5月
- 日経メディカル処方薬事典 ヴィアレブ配合持続皮下注(更新確認日:2026年5月20日)