【2019更新】スイッチOTC化した医薬品の一覧

体調が悪くて薬で対応したいなと思った時、

病院に行って処方してもらうか、薬局・ドラッグストアのOTC(Over The Counter)の医薬品で対応しますよね。

軽微な不調な場合はセルフメディケーション(OTC医薬品による自主服薬)を行うことが推進されており、2017年から減税制度が始まりました(スイッチOTCの医薬品に限る)。

セルフメディケーションは、世界保健機関(WHO)において、「自分自身の健康に責任を持ち、軽微な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。

 

その減税制度の名前は、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)です。

ご存知でした?

 

自分がその制度を利用するしない関係なく、薬学関係者は知っておかなければならない制度の一つですので、これを機に理解しておきましょう。

また、スイッチOTC化した医薬品も年々増えていますが、実際どんな医薬品があるか知られていないのも多いんです。

今回は、スイッチOTC化した医薬品の歴史、医薬品名を一覧にまとめましたのでご参考にしてください。

セルフメディケーション税制について

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年(2017年)1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

厚生労働省(セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について)から一部抜粋

セルフメディケーション(自主服薬)の推進のために作られた制度ですね。

対象はスイッチOTC薬で、すべての医薬品が対象ではないのは少し一般購入者にとっては難しいそうですが、今は医薬品の箱などに記載してあることが多いです。

スイッチOTC医薬品について

医師の診断・処方せんに基づき使用されていた医薬品医薬品を薬局・薬店(ドラッグストア)などで購入できるように転用(スイッチ)した医薬品のことをいいます。

スイッチOTCは、要指導医薬品もしくは一般用医薬品に分類されます。

要指導医薬品
一般消費者の方が自己の判断に基づき、薬局・薬店(ドラッグストア)などで購入できる医薬品のうち、使用するうえで特に注意が必要なものとして、薬剤師による対面販売が必要とされている医薬品のことをいう。
一般用医薬品
一般消費者の方が自己の判断に基づき、薬局・薬店(ドラッグストア)などで購入できる医薬品のことをいう。副作用のリスクの度合いによって、「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」に分類される。

スイッチOTCの歴史と医薬品一覧

近年、よく耳にすることになったスイッチOTC医薬品ではありますが、いつから存在しているのかをご存知ですか?

実は1980年代にはすでに存在していました。

こちらの下表が、これまでのスイッチOTC医薬品の承認の一覧になります。

スイッチ年次 成分名 薬効(一般用医薬品)
1983 ソイステロール コレステロール降下薬
1983 ピコスルファートナトリウム 便秘薬
1984 セミアルカリプロテイナーゼ かぜ薬
1985 エキサラミド(外用薬) 水虫薬
1985 ジメモルファンリン酸塩 鎮咳薬
1985 インドメタシン(外用薬) 外用鎮痛薬
1985 イブプロフェン 鎮痛楽
1986 ポリエンフォスファチジルコリン コレステロール降下薬
1987 ポリエチレンスルホン酸ナトリウム(外用薬) 外用鎮痛薬
1987 ブチルスコポラミン臭化物 胃腸薬
1987 プロムヘキシン塩酸塩 鎮咳楽,かぜ薬
1987 セトラキサート塩酸塩 胃腸薬
1987 チメピジウム臭化物 胃腸薬
1987 シクロピロクスオラミン(外用薬) 水虫薬
1987 ミコナゾール硝酸塩(外用薬 ) 水虫薬
1988 ゲファルナート 胃腸薬
1988 エコナゾール硝酸塩(外用薬) 水虫薬
1988 カルボシステイン 鎮咳薬
1988 イソチペンジル塩酸塩(外用薬) 歯痛薬
1989 ヘプロニカート 血行改訴薬
1989 ロペラミド塩酸塩 止瀉薬
1990 ユビデカレノン 循環器用薬
1990 ヒドロコルチゾン酪酸塩(外用薬) 外用皮膚炎用薬
1990 メキタジン 抗アレルギー薬
1990 ビソキサチン酢酸塩 便秘薬
1990 イブプロフェンピコノール〔外用薬) にきび薬
1991 トルシクラート(外用薬) 水虫薬
1991 ウフェナマート(外用薬) 外用鎮痛薬
1991 エプラジノン塩酸塩 鎮咳楽
1991 チオコナゾール(外用薬) 水虫楽
1992 メコバラミン ビタミン剤
1992 吉草酸酢酸プレドニゾロン(外用薬) 外用皮膚炎用薬
1992 L-アスパラギン酸カルシウム カルシウム剤
1992 イブプロフェン ※新効能 かぜ薬
1993 スルコナゾール硝酸塩(外用薬) 水虫薬
1993 ビホナゾール(外用薬) 水虫薬
1993 オキシコナゾール硝酸塩(外用薬) 水虫薬
1994 ピロキシカム(外用薬) 外用鎮痛薬
1994 ケトプロフェン(外用薬) 外用鎮痛薬
1995 オキセザゼイン 胃腸薬
1995 トリメブチンマレイン酸塩 胃腸薬
1995 フェルビナク(外用薬) 外用鎮痛薬
1995 塩酸ピレンゼピン 胃腸薬
1997 シメチジン 胃腸薬
1997 ファモチジン 胃腸薬
1997 ラニチジン塩酸塩 胃腸薬
1997 クロモグリク酸ナトリウム(点眼薬,点鼻薬) アレルギー用薬
1998 ソファルコン 胃腸薬
2000 テプレノン 胃腸薬
2001 ニコチン(ガム) 禁煙補助剤
2002 アモロルフィン塩酸塩(外用薬) 水虫薬
2002 ブテナフィン塩酸塩(外用薬) 水虫薬
2002 ネチコナゾール塩酸塩(外用薬) 水虫薬
2002 テルビナフィン塩酸塩(外用薬) 水虫薬
2002 プラノプロフェン(点眼薬) 抗炎症薬
2005 ロキサチジンアセテート塩酸塩 胃腸薬
2005 ニザチジン 胃腸薬
2005 ケトチフェンフマル酸塩(点鼻薬) アレルギー用薬
2006 ラノコナゾール(外用薬) 水虫薬
2006 チキジウム臭化物 鎮痛鎮痙胃腸薬
2006 ケトチフェンフマル酸塩 ※新効能 アレルギー用薬
2006 アゼラスチン塩酸塩 アレルギー用薬
2006 トリアムシノロンアセトニド(外用薬) 口内炎用薬
2007 アシクロビル(外用薬) 口唇ヘルペス薬
2007 ケトチフェンフマル酸塩(点眼薬) ※新効能 アレルギー用薬
2007 アンブロキソール塩酸塩 かぜ薬
2007 トラネキサム酸 しみ薬
2008 フラボキサート塩酸塩 頻尿改善薬
2008 イソコナゾール硝酸塩(外用薬) 膣カンジダ治療薬(膣錠)
2008 ニコチン貼付剤(外用薬) ※新効能 禁煙補助剤
2008 エメダスチンフマル酸塩 アレルギー用薬
2008 ミコナゾール硝酸塩(外用薬) ※新効能 膣カンジダ治療薬(膣坐薬)
2009 イソコナゾール硝酸塩(外用薬) ※新効能 膣カンジダ治療薬(クリーム)
2009 ミコナゾール硝酸塩(外用薬) ※新効能 膣カンジダ治療薬(クリーム )
2009 ジクロフェナクナトリウム(外用薬〉 消炎鎮痛薬
2009 ビダラビン(外用薬) 口唇ヘルペス薬
2010 トロキシピド 胃腸薬
2010 エピナスチン塩酸塩 アレルギー用薬
2010 ロキソプロフェンナトリウム 消炎鎮痛薬
2010 オキシコナゾール硝酸塩 (外用薬) ※新効能 膣カンジダ治療薬(膣錠)
2010 ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(点鼻薬) アレルギー用薬
2011 クロトリマゾール(外用薬) ※新効能 膣カンジダ治療薬(膣錠)
2011 オキシメタゾリン塩酸塩(点鼻薬) アレルギー用薬
2011 アシタザノラスト水和物(点眼薬) アレルギー用薬
2011 ペミロラストカリウム アレルギー用薬
2012 フェキソフェナジン塩酸塩 アレルギー用薬
2012 ネチコナゾール塩酸塩(外用薬) ※新効能 膣カンジダ治療薬(膣錠)
2012 イコサペント酸エチル 境界領域の中性脂肪値改善薬
2012 セチリジン塩酸塩 アレルギー用薬
2013 トリメブチンマレイン酸塩 ※新効能 過敏性腸症候群再発症状改善薬
2013 ペミロラストカリウム(点眼薬) ※新効能 アレルギー用薬
2013 トラニラスト(点眼薬) アレルギー用薬
2013 エバスチン アレルギー用薬
2014 アルミノプロフェン 解熱鎮痛薬
2015 フッ化ナトリウム(外用薬) 歯科用剤
2015 ロキソプロフェンナトリウム水和物(外用薬) ※新効能 消炎鎮痛薬
2017 ロラタジン アレルギー用薬
2019 フルチカゾンプロピオン酸エステル(点鼻薬) アレルギー用薬
まもなく ヒアルロン酸ナトリウム ドライアイ薬
まもなく レバミピド 急性胃炎薬
まもなく メロキシカム 関節痛薬

スイッチ化の必要性・国内市場

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済によると、一般用医薬品の国内市場は、約6500億円であり、そのうちの25%の約1650億円がスイッチOTC医薬品による売り上げであることが報告されています(2017年データ)。

品目別にみても、総合感冒薬(風邪薬)、解熱鎮痛剤、外用消炎鎮痛剤の構成比がとりわけ大きく、この3つを合計すると50%を超えています。

これらのデータから、スイッチ化された医薬品の需要は高いということがわかりますね。

参考:富士経済(一般用医薬品、スイッチOTCの国内市場を調査)

スイッチOTC医薬品になるまでの流れ

厚生労働省は、スイッチOTC医薬品の候補となる成分を、学会、団体、企業、一般消費者(個人)から、要望の受付を行っています。

受け付けた要望から、検討会議を通して、
(1)医療用医薬品としての使用実績
(2)要指導・一般用医薬品として適切と考える理由
(3)副作用の発生状況
(4)海外での使用状況
などの観点からスイッチOTCとすることの妥当性を科学的に検証していきます。

その後、薬事・食品衛生審議会での議論を経て、開発へと進みます。

参考:厚生労働省(スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望募集について)

さいごに

スイッチOTCの歴史は古く、多くの医薬品が含まれることが一覧表からわかると思います。

臨床の場で現在も使われている成分も多くOTC化しているということは、軽微な病気の際には薬局・ドラッグストアで購入する医薬品でも十分に対処可能であることにつながります。

OTC医薬品は効果が薄いと思われがちですが、有効成分を見極めてセルフメディケーションにつなげていけるといいですね。

困ったときは薬剤師に相談しましょう。

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