皆さん、睡眠はしっかりとっていますか?
最近、メディアで睡眠のネタが取り上げられることが多くなっているように感じます。
本日、21時からもNHKスペシャルで「睡眠負債が危ない ~”ちょっと寝不足”が命を縮める~」という番組があるようです。
太りやすい、空気が読めない、勝負に弱い、そんな悩みの原因が睡眠負債かもしれない!?
面白そうなので見てみようと思います。別に番宣しているわけではないです…笑
また、先日、フィットネストラッカーを開発するFitbit(フィットビット)が40億件というビッグデータによる研究結果を発表しました。
莫大なデータから、7時間以上の睡眠は健康に良い影響を与える、というこれまでの定説が裏付けられるような結果が出たようです。
確かに、私も違う会社のフィットネストラッカーを付けていますが、データの提供に参加するような旨が初期設定時に書いてあったような気がします。
会社はこのようにしてデータを集めているんですね。ありがたいような、こわいような・・。
Fitbit(フィットネストラッカー)に興味がある方は↓
Fitbit(フィットビット)心拍計+フィットネスリストバンド Alta HR Large Black FB408SBKL-CJK(amazon)
本題【睡眠が不規則な学生は学業成績が悪い】
今回は、NatureグループのScientific reportsで発表されたこちらの睡眠の論文をご紹介します↓
Irregular sleep/wake patterns are associated with poorer academic performance and delayed circadian and sleep/wake timing
Andrew J. K. Phillips, William M. Clerx, Conor S. O’Brien, Akane Sano, Laura K. Barger, Rosalind W. Picard, Steven W. Lockley, Elizabeth B. Klerman & Charles A. Czeisler
Scientific Reports 7, Article number: 3216 (2017), Published online: 12 June 2017
Abstract
The association of irregular sleep schedules with circadian timing and academic performance has not been systematically examined. We studied 61 undergraduates for 30 days using sleep diaries, and quantified sleep regularity using a novel metric, the sleep regularity index (SRI). In the most and least regular quintiles, circadian phase and light exposure were assessed using salivary dim-light melatonin onset (DLMO) and wrist-worn photometry, respectively. DLMO occurred later (00:08 ± 1:54 vs. 21:32 ± 1:48; p < 0.003); the daily sleep propensity rhythm peaked later (06:33 ± 0:19 vs. 04:45 ± 0:11; p < 0.005); and light rhythms had lower amplitude (102 ± 19 lux vs. 179 ± 29 lux; p < 0.005) in Irregular compared to Regular sleepers. A mathematical model of the circadian pacemaker and its response to light was used to demonstrate that Irregular vs. Regular group differences in circadian timing were likely primarily due to their different patterns of light exposure. A positive correlation (r = 0.37; p < 0.004) between academic performance and SRI was observed. These findings show that irregular sleep and light exposure patterns in college students are associated with delayed circadian rhythms and lower academic performance. Moreover, the modeling results reveal that light-based interventions may be therapeutically effective in improving sleep regularity in this population.
要約
不規則な睡眠スケジュールによる概日リズムと学業成績との関連は系統的に調査されていない。私たちは、61人の大学生に睡眠記録を付けてもらい、独自で開発した睡眠規則性指数(SRI)により睡眠パターンを分析した。最も規則的で最小五分位尺度としては、概日周期と光暴露をそれぞれ、唾液のメラトニン測定の評価(DLMO; Dim Light Melatonin Onset)と手首の測定計により評価された。不規則的な睡眠者は遅いDLMOを起こした (00:08 ± 1:54 vs. 21:32 ± 1:48; p < 0.003)。不規則的な睡眠者は毎日の睡眠傾向リズムが遅れてピークに達した。光リズムの振幅は不規則的な睡眠者で低かった(102 ± 19 lux vs. 179 ± 29 lux; p < 0.005)。概日周期のペースメーカとその光の応答性の数学的モデルを用いて、概日タイミングの不規則的と規則的群の違いが、主として彼らの光暴露の異なるパターンに起因している可能性が高いことを実証した。学業成績とSRIの間に正の相関(r = 0.37; p < 0.004)が認められた。これらの知見は、大学生の不規則な睡眠および光暴露のパターンが、概日リズムの遅延および学業成績の低下に関連していることを示している。さらに、モデリングの結果は、光に基づいた介入が、この集団での睡眠の規則性を改善する上で治療的に有効であり得ることを明らかにする。
訳し方が自信ないところもあったので誤訳あるかも、、
原文はこちら:https://www.nature.com/articles/s41598-017-03171-4
今回の研究では、ハーバード大の18-24歳の大学生61人(1年生は除く)を30日間追跡調査を行い、平日寝不足で、週末にまとめて眠るような不規則な睡眠をとっている学生は、睡眠周期が一定している学生と比較して成績が低いことを示しました。またこの結果は、トータルの睡眠時間が重要なのではなく、規則的に睡眠をとらないことが成績低下と関連している、としています。
学生には通常通り睡眠してもらい、その中で、規則正しさが上位20%が規則的な群、下位20%が不規則な群とわけられています。
学生自身は誰が規則的、不規則的群になっているかわからない状態で行なっています。
対象学生の睡眠の状態
こちらのAの図の赤色のプロットが不規則な睡眠に当てはまった学生、青色が規則的な睡眠に当てはまった学生となっています。
代表的な睡眠時間を2人ずつ示されており、B, Cが不規則的な睡眠の例、D, Eが規則的な睡眠の例です。
見るからに睡眠の時間が違うことがわかると思います。
規則正しい群の2人は、1か月を通して昼寝も1,2回だけという素晴らしい規則性を示していますね。
SRI(睡眠規則性指数)と学業成績、DLMO(唾液のメラトニン測定の評価)の関連
Aでは、不規則な睡眠集団(赤色)が学業成績も低いことを示し、SRIと学業成績には正の相関を示すことを示し、
Bでは、SRIとDLMOに負の相関を示しており、学業成績とのDLMOに対しても負の相関を示すことがわかりました。
結論
研究チームは、不規則的な睡眠は日中に光を浴びる量が減っているため、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が遅れてしまう。
その結果、体内時計が狂い、成績が低下している可能性がある。
この研究により不規則な睡眠が成績低下につながることが証明されたとは言えないが、学業の高成績に対して妨げる日常習慣の一つである可能性はあるとまとめています。
まとめ
こちらの論文を通して、睡眠を不規則にとっていると学業成績が低下することがわかりました。
ただ、注意しておいていただきたいのが、もともと同レベルの成績、睡眠規則をもっている学生を通して比較しているのではなく、この研究期間の前からもこのような睡眠規則をとっている学生であったので、この結果は当たり前のような感じもします。
睡眠規則がバラバラで、あまり授業を出ていない、授業中に寝ている学生で成績が良い人ってほとんどいないと思いますので。
しかし、その結果を研究結果として明らかにされることは貴重なものとなります。
小~中学生を対象にすることは多いですが、大学生対象というのはなかなか珍しいと感じました。
みなさん、睡眠は規則正しくとることも成績アップには大事そうですよ!