約20年ぶりの経口爪白癬治療薬が発売

約20年ぶりの経口爪白癬治療薬が発売

2018年7月9日、佐藤製薬株式会社とエーザイ株式会社から、経口の爪白癬(つめはくせん)治療薬「ネイリン®カプセル100mg」を2018年7月27日より新たに発売することが発表されました。

以下、佐藤製薬の公式発表から引用

 「ネイリン®カプセル100mg」は、活性成分であるラブコナゾールの生物学的利用率を向上させたホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物を有効成分としており、エーザイが創製し、佐藤製薬が経口投与爪白癬治療剤として約20年ぶりに製造販売承認を取得しました。
爪白癬は、白癬菌が手足の皮膚を介して爪の中に侵入することによって、爪の混濁や肥厚、爪周辺の角質増殖などの症状をきたす真菌感染症です。日本人の10人に1人、約1,100万人が罹患していると報告されています。痛みやかゆみを伴わないため放置されやすい疾患ですが、進行すると爪の変形による痛みから靴がはきづらい、歩くと痛いなどの症状を引き起こし、患者様の多くはQOL(生活の質)の低下に悩まされています。さらに白癬菌は、スリッパやバスマットなどを共用することで他人に感染することがあります。
「ネイリン®カプセル100mg」は、佐藤製薬が実施した爪白癬患者様を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験において、1日1回1カプセルを12週間経口投与することにより、プラセボと比較して優れた有効性が確認されています。

引用:佐藤製薬 経口抗真菌剤「ネイリン®カプセル100mg」新発売のお知らせ

爪白癬は、トリコフィトン属を主な原因菌とする爪の感染症で、爪の混濁、肥厚、変形、落屑といった外見上の変化だけではなく、爪の肥厚に伴い、靴を履くときの痛みや歩行困難などが出現するため、患者の負担が大きい疾患です。

日本において爪白癬治療薬は以下のものが使用可能となっています。

・経口薬
トリアゾール系薬イトラコナゾール(イトリゾール)
アリルアミン系薬テルビナフィン(ラミシール)、

・外用製剤
トリアゾール系薬エフィナコナゾール(クレナフィン)
ルリコナゾールの高濃度製剤(ルコナック)

爪白癬治療はガイドラインにより、原則内服療法による治療が推奨されてはいますが、既存の経口抗真菌薬では肝障害等の全身的副作用や薬物相互作用の点で課題がありました。

 
 ネイリン®カプセルの有効成分であるホスラブコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬であるラブコナゾールのプロドラッグで、経口投与後速やかに吸収され、ラブコナゾールに変換されます。
(トリアゾール系抗真菌薬:真菌細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を示す)

 国内臨床試験において、既存の薬剤より重篤な肝障害は少ないとされ、薬物相互作用を示す可能性が低いと考えられている薬ですが、挙げられている副作用の多くが肝機能障害であるため、十分な注意が必要であると考えられています。