
みなさん、こんにちは。今回は2025年1月に新たに発売された糖尿病治療薬「アウィクリ注 フレックスタッチ」について、簡単にまとめました。
はじめに:アウィクリとは
アウィクリ注 フレックスタッチ(一般名:インスリン イコデク〈Insulin Icodec〉)は、週1回投与が可能な持効型インスリン製剤として開発された、糖尿病におけるインスリン療法適応患者を対象とした新薬です。
糖尿病治療におけるインスリン療法は、膵β細胞のインスリン分泌を基礎分泌と追加分泌に分けて模倣することを目指しています。これまでの基礎インスリン製剤(Basalインスリン)は1日1回または2回の投与が必要でしたが、連日投与の負担やアドヒアランスの低下が治療継続の障壁となっていました。
アウィクリは、国内初の週1回投与型のBasalインスリン製剤として、治療負担の軽減とQOLの向上が期待されています。
製品概要
- 販売名:アウィクリ注 フレックスタッチ 総量300単位
- 一般名:インスリン イコデク(遺伝子組換え)
- 製造販売元:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
- 薬効分類:その他のホルモン剤(249)
- 承認日:2024年6月24日
- 薬価基準収載日:2024年11月20日
- 発売日:2025年1月30日
- 包装:0.43mL×2本(総量300単位)
作用機序と特徴
アウィクリの有効成分であるインスリン イコデクは、皮下注射後に血中のアルブミンと結合することで、活性を一時的に抑えられた状態を維持します。その後、アルブミンから緩徐に解離してインスリン受容体と結合し、血糖降下作用を発揮します。
このアルブミン結合機構と、構造的な安定性により、血中半減期は約1週間。結果として週1回の投与で安定した血糖コントロールが可能となります。
効能・効果・適応症
インスリン療法が適応となる糖尿病(1型および2型)
用法・用量と投与時の注意点
通常、成人では週1回皮下注射にて使用します。
- 初期用量:30〜140単位/週
- 必要に応じて他のインスリン製剤と併用可
- 維持量:1週間あたり30〜560単位(必要に応じて超過可能)
1型糖尿病患者では低血糖リスクに留意し、従来の連日投与製剤との比較や適用の是非を慎重に判断します。
相互作用・代謝経路
薬物代謝酵素による明確な相互作用の報告は現在のところありませんが、他の血糖降下薬との併用時には低血糖のリスク管理が必要です。
食事の影響について
アウィクリは基礎インスリンとして長時間持続するため、食事タイミングとの直接的な影響は少ないとされています。用法に従い、同じ曜日・時間に投与することが推奨されます。
主な副作用と安全性情報
- 低血糖(特に1型糖尿病患者で多く報告)
- 注射部位の紅斑・腫脹・疼痛
- アレルギー反応(まれ)
週1回製剤の特性上、副作用が現れた場合の持続性に注意が必要です。
処方時のチェックリスト(医師向け)
- 1型糖尿病か2型糖尿病か(1型では特に低血糖に注意)
- 低血糖の既往歴の有無
- 他のインスリン製剤との併用計画
- 患者の注射管理能力(週1回の遵守が可能か)
- 教育入院または在宅注射指導の有無
服薬指導のポイント(薬剤師向け)
- 投与曜日と時間を決めて習慣化をサポート
- 他のインスリンと混同しないよう注意喚起
- 注射部位のローテーションを指導
- 低血糖症状(空腹感・冷や汗・動悸など)のセルフチェック方法を説明
- 保管条件(冷蔵/開封後の室温保存可)を伝える
一言アドバイス:「週1回やから、打ち忘れんようカレンダーとかアラーム使ってな!」
ケアポイント(看護師向け)
- 注射部位の状態を観察(紅斑・硬結の有無)
- 注射技術の確認(自己注射の支援が必要な場合あり)
- 低血糖発現時の対応方法を患者・家族と共有
- 投与記録(注射日)を記載・確認する習慣づけ
- 週1回投与への心理的抵抗の有無を傾聴
まとめ

毎日注射がしんどい…って声、よく聞くけど、アウィクリは週1回でOKやからほんま助かるかも♪ 無理なく続けられることって大事やね!