
『みなさん、こんにちは。今回は2024年11月に新たに発売された非小細胞肺がん治療薬「ライブリバント」について、簡単にまとめました。』
はじめに:ライブリバントとは
ライブリバント点滴静注350mg(一般名:アミバンタマブ[遺伝子組換え])は、2024年11月20日にヤンセンファーマ株式会社より発売された新規の抗悪性腫瘍剤です。本剤は、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)に対して承認された国内初の分子標的治療薬です。
製品概要
- 製品名:ライブリバント点滴静注350mg
- 一般名:アミバンタマブ(遺伝子組換え)
- 製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社
- 承認日:2024年9月24日
- 薬価基準収載日・発売日:2024年11月20日
- 規制区分:劇薬、処方箋医薬品、生物由来製品
- 貯法・有効期間:2~8℃保存、36か月
作用機序と特徴
ライブリバントは、EGFRおよびMETに対する二重特異性モノクローナル抗体です。EGFRおよびMETの下流シグナル伝達を阻害することで腫瘍の増殖を抑制し、さらに抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導して抗腫瘍効果を発揮します。特に従来のEGFR阻害薬が効きにくかったエクソン20挿入変異に対する新たな治療オプションとして期待されています。
効能・効果・適応症
- EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- EGFR遺伝子変異陽性(エクソン20除く)の進行・再発NSCLC(ラゼルチニブ併用時)
用法・用量と投与時の注意点
ライブリバントは、患者の体重に応じて用量が設定されており、カルボプラチンおよびペメトレキセドとの併用またはラゼルチニブとの併用で投与されます。初回投与ではinfusion reaction軽減のため、ステロイド、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤の併用が推奨されます。
相互作用・代謝経路
詳細な代謝経路は未解明ですが、併用禁忌は報告されておらず、代謝酵素による相互作用は少ないと考えられています。ただし、ラゼルチニブ併用時には血栓塞栓症のリスクに注意が必要です。
食事の影響について
点滴静注製剤であるため、経口薬とは異なり食事の影響は受けません。
主な副作用と安全性情報
- infusion reaction(57.4%)
- 発疹(66.8%)
- ざ瘡様皮膚炎(29.2%)
- 口内炎(36.5%)
- ALT/AST増加(23.6%、23.8%)
- 間質性肺疾患(1.6%)
重篤な副作用ではinfusion reaction、間質性肺疾患、静脈血栓塞栓症、皮膚障害などが挙げられ、初期の観察と対応が重要です。
服薬指導のポイント(薬剤師向け)
- 初回投与前に前投薬が必要であることを確認
- infusion reactionに備えて、初回は入院環境での管理が望ましい
- 皮膚・爪障害へのスキンケア指導を
一言アドバイス:「爪囲炎や皮膚トラブルは早期の対応が鍵です。保湿とスキンケアをこまめに!」
処方時のチェックリスト(医師向け)
- EGFRエクソン20挿入変異の確認
- 間質性肺疾患の既往・合併の有無をCT等で評価
- infusion reactionへの備え(前投薬、救急体制)
- ラゼルチニブ併用時の血栓塞栓症のリスク評価と抗凝固剤投与の検討
まとめ

『ライブリバントは、これまで治療選択肢が限られていたEGFRエクソン20挿入変異陽性NSCLCに対する新たな希望です。現場では、infusion reactionや皮膚障害の対策を講じつつ、適切な患者選択で最大限の効果を引き出していただけたらと思います♪』