キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の特徴・作用機序

特徴的なポイント

・PD-1(programmed cell death-1)とそのリガンドである PD-L1 及び PD-L2 との結合を直接阻害(いわゆる免疫チェックポイントを阻害)する、ヒト化 IgG モノクローナル抗体である。
・PD-1 と PD-L1 及び PD-L2 の両リガンドの結合を阻害することにより、腫瘍微小環境中の腫瘍特異的細胞傷害性 T リンパ球を活性化させることで抗腫瘍効果を示すと考えられている。
・1 回 200mg を 3 週間間隔で、30 分間かけて点滴静注する製剤である。

構造式または示性式

名前の由来

特になし

ステム

ヒト化モノクローナル抗体:-zumab

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発売日

2017 年 2 月

メーカー

MSD株式会社

適応

悪性黒色腫
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌
がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)

作用機序

本剤は、ヒト PD-1 に対する抗体であり、PD-1 とそのリガンド(PD-L1 及び PD-L2)との結合を阻害することにより、腫瘍特異的な細胞傷害性 T 細胞を活性化させ、腫瘍増殖を抑制すると考えられている。

代謝などに関して

本剤は蛋白製剤であるため、一般的な蛋白質分解過程によりアミノ酸に分解される。低分子化合物に典型的な代謝経路(CYP、UGT など)は本剤のクリアランスに寄与しない。

相互作用

(1) 併用禁忌とその理由

特になし

(2) 併用注意とその理由

特になし

重大な副作用

  • 間質性肺疾患(4.0%)
  • 大腸炎(1.8%)、重度の下痢(1.4%)
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、多形紅斑(0.1%)
  • 類天疱瘡(0.1%未満)
  • 末梢性ニューロパチー(1.9%)、ギラン・バレー症候群(0.1%未満)等の神経障害
  • AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(9.2%)、 肝炎(0.9%)、硬化性胆管炎(0.1%未満)
  • 甲状腺機能低下症(8.7%)、甲状腺機能亢進症(4.9%)、甲状腺炎(1.0%)等の甲状腺機能障害
  • 下垂体炎(0.4%)、下垂体機能低下症(0.3%)等の下垂体機能障害
  • 副腎機能不全(0.4%)等の副腎機能障害
  • I型糖尿病(劇症 1 型糖尿病を含む)(0.3%)
  • 腎不全(0.9%)、尿細管間質性腎炎(0.2%)等の腎障害
  • 膵炎(0.3%)
  • 筋炎(0.1%)、横紋筋融解症(頻度不明)
  • 重症筋無力症(0.1%未満)
  • 心筋炎(0.1%)
  • 脳炎(0.1%未満)、髄膜炎(0.1%)
  • 免疫性血小板減少性紫斑病(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明)、赤芽球癆(頻度不明)、 無顆粒球症(頻度不明)等の重篤な血液障害
  • 血球貪食症候群(頻度不明)
  • Infusion reaction(1.6%)

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