
みなさん、こんにちは。今回は2024年12月に新たに発売された不眠症治療薬「クービビック」について、簡単にまとめました。
はじめに:クービビックとは
クービビック錠(一般名:ダリドレキサント塩酸塩〈Daridorexant Hydrochloride〉)は、不眠症を適応とするオレキシン受容体拮抗薬です。日本における不眠症の有病率は成人の約20%とされ、社会生活・QOL(Quality of Life)に大きな影響を及ぼす疾患として注目されています。
不眠症の主な症状には、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などがあり、背景には精神的ストレス、加齢、環境要因などさまざまな因子が関与しています。特に近年では、脳の過覚醒状態に注目が集まっており、オレキシン系がこの病態に関与していると考えられています。
製品概要
- 販売名:クービビック錠25mg、50mg
- 一般名:ダリドレキサント塩酸塩(Daridorexant Hydrochloride)
- 製造販売元:ネクセラファーマジャパン株式会社
- 販売元:塩野義製薬株式会社
- 薬効分類:その他の中枢神経系用薬(119)
- 承認日:2024年9月24日
- 薬価基準収載日:2024年11月20日
- 発売日:2024年12月19日
作用機序と特徴
ダリドレキサントは、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(Dual Orexin Receptor Antagonist:DORA)です。オレキシン受容体1型(OX1R)および2型(OX2R)の両方に拮抗し、覚醒維持の過剰なシグナルを抑制します。
本剤は半減期が比較的短く、翌朝への眠気の持ち越しを最小限に抑えるよう設計されており、入眠と睡眠維持の双方に対する改善効果が期待されます。
効能・効果・適応症
不眠症
用法・用量と投与時の注意点
通常、成人にはダリドレキサントとして1日1回50mgを就寝直前に経口投与します。
状態に応じて25mgへの減量も可能です。服用後は速やかに就寝するよう指導します。
中止のタイミングを見極め、漫然と継続しないよう注意が必要です。
相互作用・代謝経路
CYP3A4(Cytochrome P450 3A4)により主に代謝されます。
CYP3A4強度阻害薬(例:イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール等)との併用は禁忌です。
食事の影響について
高脂肪食との同時摂取により、Tmax(最高血中濃度到達時間)が延長し、薬効発現が遅れる可能性があります。就寝直前の空腹時投与が推奨されます。
主な副作用と安全性情報
主な副作用には、眠気、疲労、頭痛、めまいなどがあります。特に翌朝の眠気や注意力低下には留意が必要です。
重篤な副作用として、睡眠時随伴症(睡眠中の異常行動など)が報告されており、発現時には投与中止を検討します。
処方時のチェックリスト(医師向け)
- 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)の有無
- 併用薬にCYP3A4阻害薬が含まれていないか
- 患者が就寝直前に服用できる生活習慣であるか
- 翌朝の眠気による事故リスク(車の運転等)を評価
- 不眠症状の改善に応じた定期的な継続評価
服薬指導のポイント(薬剤師向け)
- 服用は必ず「就寝直前」であることを強調
- 服用後はすぐに寝床につくように説明
- 翌朝の眠気・注意力低下に注意し、車の運転等は避けるよう指導
- 高脂肪食と一緒に服用しないようアドバイス
- 継続投与の場合は、効果と副作用のバランスを定期的に確認
一言アドバイス:「ちゃんと寝る直前に飲むんやで〜!起きた後にぼーっとしてたらあかんから注意して。」
まとめ

クービビックは、自然な眠りをサポートしてくれる新しい選択肢やね。朝までスッキリ眠りたい人にはぴったりかも♪