ボラザG軟膏(トリベノシド・リドカイン)の特徴・作用機序

開発の経緯について
 トリベノシドはスイス CIBA-GEIGY 社化学研究所の Huber らにより、1957 年合成された六炭糖 Glucofuranose の誘導体である。
 同社では外部からの各種侵襲(感染、中毒、アレルギー、外傷等)に対する生体の非特異的抵抗性を増強する物質として多糖類に注目し、その使用上の欠点を補って低分子で抗原性がなく経口で吸収され、かつ安定性の良い物質を求めて多くの糖誘導体が合成ならびにスクリーニングされた。その中で、循環障害改善作用、抗浮腫作用、創傷治癒促進作用等の薬理作用を有するトリベノシドが見出され製品化された。わが国においては、その 200mg を含有する軟カプセル剤が経口痔核治療剤ヘモクロン®の商品名(現ヘモクロンカプセル 200mg)で武田薬品工業から 1978 年に製造発売された。1988年 3 月に武田薬品工業から天藤製薬に輸入承認が承継され、現在は天藤製薬製造販売・武田薬品工業販売となった。
 また、薬物を患部に直接適用させ、同時にトリベノシド経口剤で低頻度ながらみられた胃腸症状や発疹等の発現をさらに減少させることを意図して、トリベノシドと局所麻酔剤リドカインを含有する油脂性基剤の坐剤を内痔核局所治療剤ボラザ®G坐剤として当社から 1983 年 4 月に製造発売した。
 ボラザ®G 軟膏は、ボラザ®G 坐剤の小容器入り軟膏化製剤であり、両剤の有効成分及びその濃度は同一である。
 ボラザ®G 坐剤の効能は、「内痔核に伴う症状の緩解」のみであるが、軟膏化により本剤は裂肛、外痔核にも効能が認められた。
 本剤は、わが国で行った基礎実験において創傷治癒促進作用、抗浮腫作用、表面麻酔作用を有し、また臨床試験では電話割付法による非盲検比較対照試験により効果が確認され、1994 年 4 月に製造承認、同 8 月に販売を開始した。

作用機序

抗浮腫作用 、創傷治癒促進作用、循環障害改善作用、表面麻酔作用を有する

製品情報

商品名ボラザG軟膏
一般名
(洋名)
トリベノシド、リドカイン
(Tribenoside、Lidocaine)
発売年月日1994 年 8 月 1 日
メーカー天藤製薬株式会社
名前の由来なし
ステムなし

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効能又は効果

・痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解
・裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解、裂創上皮化の促進

禁忌
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・トリベノシド又はアニリド系局所麻酔剤(リドカイン等)に対し過敏症の既往歴のある患者

用法及び用量

内痔核には、通常1回1容器分(注入量でトリベノシドとして200mg、リドカインとして40mg)を、1日2回朝夕肛門内に注入する。症状に応じて適宜回数を増減する。
裂肛、外痔核には、通常適量を1日2回朝夕患部に塗布又は注入する。症状に応じて適宜回数を増減する。

代謝・代謝酵素について

該当データなし。
直腸内投与、経皮投与いずれも投与部位に多くの未変化体が存在する。

食事の影響

該当データなし

副作用(抜粋)

主な副作用は発疹、肛門そう痒等の皮膚症状 22 例(0.64%)、下痢等の消化器症状 2 例(0.06%)、局所の刺激感 8 例(0.23%)等である。
重大な副作用として、アナフィラキシー(頻度不明)が報告されている。

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情報更新日:2022年2月

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