【2026年2月12日発売】ネフィー点鼻液1mg・2mg(一般名:アドレナリン)の特徴、作用機序

「みなさん、こんにちは。今回は2026年2月に新たに発売されたアナフィラキシー補助治療薬『ネフィー点鼻液』について、簡単にまとめました。これまでの自己注射薬とは異なる新しい形状のお薬です。その特徴を一緒に確認していきましょう。」

はじめに:ネフィー点鼻液とは

アナフィラキシー(Anaphylaxis)は、急速な進行を伴い生命を脅かす可能性のある重篤な全身性アレルギー反応です。気道閉塞や循環虚脱といった深刻な症状を引き起こすため、発症時には速やかにアドレナリン(Adrenaline)を投与することが生存率に直結します。

これまで、国内での自己投与可能なアドレナリン製剤は筋肉内注射剤(オートインジェクター)のみでした。しかし、針への恐怖心や、いざという時の操作への不安から投与が遅れてしまうケースが課題となっていました。

「ネフィー点鼻液」は、国内初となる鼻腔内投与型のアドレナリン製剤です。注射針を使用しないため、患者さんや保護者の方の心理的負担を大幅に軽減し、簡便かつ迅速な投与を実現します。ドデシルマルトシドを配合することで、鼻粘膜からの優れた吸収性を確保しており、既存の注射剤と同等の薬学的プロファイルを有しています。

製品概要(承認日、発売日、製造販売元など)

販売名ネフィー点鼻液1mg、ネフィー点鼻液2mg
一般名アドレナリン
製造販売承認日2025年9月19日
薬価基準収載日2025年11月12日
発売日2026年2月12日
製造販売元アルフレッサ ファーマ株式会社

作用機序と特徴

ネフィーは、交感神経のαおよびβ受容体に対して直接的な刺激作用を示します。

  • α受容体:末梢血管を収縮させ、血圧低下を抑制します。
  • β1受容体:心筋収縮力を増強し、心拍数を上昇させることで循環機能をサポートします。
  • β2受容体:気管支平滑筋を弛緩させ、呼吸困難を改善するとともに、骨格筋の血管床を弛緩させます。

大きな特徴は、吸収促進剤としてドデシルマルトシド(DDM:n-Dodecyl-β-D-maltoside)を配合している点です。これにより、鼻腔内投与でも注射剤と同等の迅速な血中濃度上昇が可能となりました。

効能・効果・適応症

蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)

用法・用量と投与時の注意点

通常、以下の用量を鼻腔内に投与します。

  • 体重30kg以上の患者:アドレナリンとして1回2mg
  • 体重30kg未満の患者:アドレナリンとして1回1mg

投与時の注意点

  • 原則として、1mg製剤は体重15kg以上の患者に対して使用することとされています。
  • 本剤は1回使い切りの点鼻液です。容器を噴霧前に空打ちしないでください。
  • 鼻腔内に挿入し、プランジャー(押し手)を突き当たるまで押し込んで投与します。

相互作用・代謝経路

アドレナリンは、モノアミン酸化酵素(MAO:Monoamine Oxidase)やカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT:Catechol-O-Methyltransferase)によって代謝されます。

  • MAO阻害剤:アドレナリンの作用が増強し、血圧が異常に上昇するおそれがあります。
  • 非選択的β遮断剤:アドレナリンのα作用が優位になり、血圧上昇や徐脈を引き起こす可能性があります。
  • 三環系抗うつ薬:心血管作用が強く現れるおそれがあります。

食事の影響について

点鼻投与のため、食事による影響は受けませんが、食物アレルギーによるアナフィラキシー発現時に速やかに投与できるよう、常に携帯しておくことが重要です。

主な副作用と安全性情報

臨床試験において、以下の副作用が報告されています。

  • 神経系障害:頭痛、めまい、振戦。
  • 精神障害:不安、不眠。
  • 心臓障害:心悸亢進、頻脈。
  • 呼吸器障害:鼻内の不快感、鼻閉、鼻漏、くしゃみ。
  • 消化器障害:悪心、嘔吐。

処方時のチェックリスト(医師向け)

  • 医師登録システムへの登録を完了していますか。
  • 患者・保護者に対し、本剤の携帯と、有効期限切れ前の交換について指導しましたか。
  • 既存の注射剤(オートインジェクター)から切り替える際、点鼻特有の手技を説明しましたか。
  • 重篤な心疾患、高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの基礎疾患を把握していますか。
  • 緊急時に迷わず使用できるよう、インフォームドコンセントと使用訓練を実施しましたか。

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

  • 空打ち厳禁:本剤は1回使い切りです。試験噴霧(空打ち)をすると、本番で薬剤が出ないことを強調してください。
  • 投与後の受診:本剤は「一時的な補助治療」です。使用後は直ちに救急車を呼ぶか、医療機関を受診するよう伝えてください。
  • 正しい姿勢:投与時は鼻腔内にまっすぐ挿入し、プランジャーをしっかり押し込むよう指導してください。
  • 保存方法:極端な高温や凍結を避け、遮光ケースに入れて常温で携帯するよう伝えてください。
  • 練習用具の活用:デモ機(練習用見本)を用いて、本人や家族が実際に動かせるか確認してください。

ケアポイント(看護師向け)

  • 緊急時のサポート:学校や職場など、日常生活の場で誰が投与するかを確認し、周囲への周知方法を提案してください。
  • 鼻の状態の確認:鼻閉が強い場合でも吸収されるよう設計されていますが、投与時に鼻をかみすぎないよう伝えます。
  • 心理的支援:注射剤に対する恐怖心が強い患者さんに対し、点鼻という選択肢による安心感を伝えてください。
  • 投与後の観察:医療機関受診後、リバウンド(二相性反応)の有無を注意深くモニタリングする重要性を説明します。
  • 手技の定期チェック:診察のたびに、デモ機を使って手順を忘れていないか再確認してください。

「いかがでしたでしょうか。ネフィー点鼻液の登場により、これまで注射に抵抗があった患者さんも、より前向きに緊急対策を行えるようになります。いざという時に落ち着いて使えるよう、日頃からのシミュレーションをしっかりサポートしていきましょうね!」

執筆者:薬剤師(大学病院)
参考・引用資料:添付文書、インタビューフォーム、適正使用ガイド、メーカープレスリリース資料など
※掲載内容には細心の注意を払っておりますが、古い情報や誤りを含む場合があります。最新の添付文書などをご確認ください。
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