スーテントカプセル(スニチニブリンゴ酸塩)の特徴

開発の経緯について
 スーテント(一般名:スニチニブリンゴ酸塩)は Sugen 社で合成され、2000 年以降ファルマシア社(現ファイザー社)で開発された、複数の RTK(受容体チロシンキナーゼ)をターゲットとする新規のキナーゼ阻害剤である。
 本剤は、in vitro の試験において、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α及び PDGFR-β)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1、VEGFR-2 及び VEGFR-3)、幹細胞因子受容体(KIT)、fms 様チロシンキナーゼ 3(FLT3)、コロニー刺激因子-1 受容体(CSF-1R)及びグリア細胞株由来神経栄養因子受容体(RET)の RTK 活性を阻害し、また、in vivo の腫瘍においても PDGFR-β、VEGFR-2、KIT 及び FLT3 のリン酸化を阻害することが報告されている。さらに、非臨床薬理試験において、スニチニブは種々の固形癌に対する直接的な抗腫瘍活性と腫瘍血管新生阻害作用の双方を有することが示唆された。
 一方、消化管間質腫瘍(GIST)の治療は、今までイマチニブ以外の治療薬がなく、イマチニブに治療抵抗性又は不忍容の GIST 患者にとっては有効な治療法はなかった。腎細胞癌に関しても、現在の標準療法(IFN-αあるいは IL-2 単独投与)による奏効率は約 15%程度であり、効果的な治療法の確立が望まれていた。

作用機序

 スニチニブは、特定の受容体チロシンキナーゼ(RTK)のシグナル伝達経路を標的として遮断する、経口投与可能なマルチターゲット型 RTK 阻害剤である。
 RTK は、多岐にわたる悪性腫瘍において、腫瘍細胞の悪性形質転換、細胞の増殖及び生存並びに浸潤などの種々の過程に関連していることが示されている。さらに、いくつかの RTK は、血管新生に主要な役割を担うことによって間接的に腫瘍の維持に寄与しており、リンパ管新生による転移にも同様に寄与する可能性が考えられている。
 スニチニブは、ATP 結合部位を競合的に阻害することにより、腫瘍の増殖、生存、転移並びに血管新生に関与する特定の受容体型チロシンキナーゼ〔血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α、PDGFR-β)、幹細胞因子受容体(KIT)、マクロファージコロニー刺激因子受容体(CSF-1R)、Fms 様チロシンキナーゼ 3 受容体(FLT-3)及び ret 前癌遺伝子(RET)〕のチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害し、腫瘍血管新生と腫瘍細胞の増殖抑制によって抗腫瘍効果を発揮する。

製品情報

商品名スーテントカプセル 12.5mg
一般名
(洋名)
スニチニブリンゴ酸塩
(Sunitinib Malate)
発売年月日2008年6月13日
メーカーファイザー株式会社
ステムチロシンキナーゼインヒビター:-tinib

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効能又は効果

・イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍
・根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
・膵神経内分泌腫瘍

警告
・本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
・心不全等の重篤な心障害があらわれ、死亡に至った例も報告されているので、必ず本剤投与開始前には、患者の心機能を確認すること。また、本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い患者の状態(左室駆出率の変動を含む)を十分に観察すること。
・可逆性後白質脳症症候群(RPLS)があらわれることがある。RPLSが疑われた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
禁忌
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性

用法及び用量

〈イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
通常、成人にはスニチニブとして1日1回50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

〈膵神経内分泌腫瘍〉
通常、成人にはスニチニブとして1日1回37.5mgを経口投与する。なお、患者の状態により、適宜増減するが、1日1回50mgまで増量できる。

注意
〈効能共通〉
・サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
・副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、添付文書に記載の基準を考慮すること。減量して投与を継続する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて、12.5mg(1減量レベル)ずつ減量すること。
〈膵神経内分泌腫瘍〉
・本剤を一定期間投与しても、重篤な有害事象がなく、十分な効果が見られない場合は、用法・用量に従って本剤を増量することができる。

代謝・代謝酵素について

ヒト生体試料を用いた代謝試験から、スニチニブは主に CYP3A4 により N-脱エチル体に代謝されることが示された。N-脱エチル体は CYP3A4 によりさらに活性を持たない N-脱エチル体(M3)に代謝される。

食事の影響

食後投与したときのスニチニブの曝露量は、空腹時投与に比べわずかに増加したが、Cmax及び AUC0-∞の幾何平均値の比(食後/空腹時)の 90%信頼区間は生物学的同等性の範囲(80~125%)内であり、スニチニブのバイオアベイラビリティに対する食事の影響はみられなかった。

副作用(抜粋)

製造販売後の特定使用成績調査において、本剤を投与された 2145 例中 2049 例(95.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、血小板数減少 1331 例(62.1%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群 846 例(39.4%)、白血球数減少 785 例(36.6%)、高血圧 775 例(36.1%)、甲状腺機能低下症 756 例(35.2%)であった。

その他の10%以上の副作用には下記のようなものがある。
食欲不振(37.4%)、味覚異常(37.5%)、頭痛(17.1%)、下痢(55.5%)、悪心(46.8%)、口内炎(39.5%)、嘔吐(29.0%)、消化不良(26.9%)、腹痛(16.2%)、便秘(13.0%)、舌炎(11.5%)、皮膚変色(32.4%)、手足症候群(31.2%)、発疹(26.5%)、毛髪変色(17.2%)、皮膚乾燥(15.6%)、顔面浮腫(13.8%)、紅斑(10.5%)、脱毛症(10.4%)、筋骨格痛(19.0%)、疲労(54.6%)、粘膜炎(19.9%)、浮腫(16.3%)、無力症(15.5%)。

こちらのサイトは記載日時点の添付文書、インタビューフォームをまとめたものです。記載内容には十分な注意を払っておりますが、医療の情報は日々新しくなるため、誤り等がある場合がございます。参考にする場合は必ず最新の添付文書等をご確認ください。

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