【2024年11月22日発売】フリュザクラカプセル1mg/5mg(フルキンチニブ)の特徴、作用機序

『みなさん、こんにちは。今回は2024年11月に新たに発売された結腸・直腸がん治療薬「フリュザクラ」について、簡単にまとめました。』

はじめに:フリュザクラとは

フリュザクラカプセル(一般名:フルキンチニブ〈Fruquintinib〉)は、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌を対象とした、選択的な血管内皮増殖因子受容体(Vascular Endothelial Growth Factor Receptor:VEGFR)阻害薬です。

大腸がんは日本におけるがん罹患数・死亡数ともに上位を占めており、特に再発・転移症例では治療選択肢が限られることが課題とされています。フリュザクラは、従来の抗がん剤とは異なり、VEGFR-1、-2、-3を強力に阻害することで、がんの血管新生を抑制し腫瘍の増殖を制御する、新たな分子標的薬です。

製品概要

  • 製品名:フリュザクラカプセル1mg/5mg
  • 一般名:フルキンチニブ
  • 製造販売元:武田薬品工業株式会社
  • 承認日:2024年9月24日
  • 薬価基準収載日:2024年11月20日
  • 発売日:2024年11月22日
  • 規制区分:処方箋医薬品・劇薬
  • 剤形:硬カプセル
  • 貯法・有効期間:室温保存、36ヶ月

作用機序と特徴

フルキンチニブは、VEGF受容体(VEGFR)1、2、3のチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害し、がん細胞への血管新生を抑制します。これにより腫瘍の進行を抑えると考えられています。標準治療歴を有し、三次治療以降に位置づけられる新たな治療選択肢です。

効能・効果・適応症

がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

用法・用量と投与時の注意点

通常、成人にはフルキンチニブとして1日1回5mgを3週間連日経口投与し、その後1週間休薬します。これを1サイクルとし、繰り返します。副作用出現時には段階的な減量や休薬、中止基準が設定されています。ボトル開封後は吸湿を避けるため、速やかに分包して管理する必要があります。

相互作用・代謝経路

主にCYP3A4により代謝されます。CYP3A誘導剤(リファンピシンなど)との併用により血中濃度が低下する可能性があります。可能な限り併用は避け、代替薬を検討してください。

食事の影響について

高脂肪食の影響はほとんどなく、空腹時と比較してAUCおよびCmaxに大きな変化は認められていません。

主な副作用と安全性情報

  • 高血圧(29.2%)、皮膚障害(28.3%)、無力症(24.6%)
  • 出血(7.2%)、消化管穿孔(1.3%)、静脈・動脈血栓塞栓症
  • 重大な副作用には、消化管出血・穿孔、可逆性後白質脳症症候群、動脈解離などがあります

観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止し、再投与は行わないことが推奨されています。

処方時のチェックリスト(医師向け)

  • 患者・家族へのインフォームドコンセントの取得
  • 高血圧、蛋白尿、肝機能・腎機能のスクリーニング
  • 標準治療歴(フッ化ピリミジン系、オキサリプラチン等)および三次治療歴の確認
  • 出血傾向や消化管症状のリスク確認

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

  • 毎日同じ時間に服用するよう指導
  • 副作用(血圧上昇、疲労感、皮膚症状など)の早期発見を促す
  • 乾燥剤を取り出さずに保管、ボトルは密栓

一言アドバイス:「吸湿に注意!ボトル開封後は分包して保管管理を徹底しよう。」

まとめ

『フリュザクラは、治療歴のあるmCRC患者に新たな経口治療の選択肢を提供します。服薬の継続性と管理のしやすさから、在宅療養中の患者のQOL向上にも貢献が期待されます。』

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