アベマシクリブ(ベージニオ)の特徴

特徴的なポイント
・本剤は、細胞周期における重要なレギュレーターであるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4 及びCDK6に対して選択的な阻害作用を有する経口投与可能な低分子化合物である。
・乳癌患者の 50%以上はサイクリンD を過剰に発現することが知られており、エストロゲン受容体陽性(ER+)細胞でもサイクリン D の過剰発現が報告されている。
・米国では 「内分泌療法後に増悪した HR+/HER2-の進行又は転移性乳癌に対するフルベストラントとの併用療法及び単独療法」として申請し、2017 年 9 月に世界で初めて承認された(2018年2月に「閉経後の HR+/HER2-の進行又は転移性乳癌に対する初回内分泌療法におけるアロマターゼ阻害剤との併用療法」として効能・効果が追加)。
・1 日 2 回、連日経口投与する薬剤である。
・2019年5月17日にブルーレターが発表された(重篤な間質性肺疾患について)。

構造式または示性式

名前の由来

特になし

ステム

サイクリン依存性キナーゼ阻害薬:-ciclib(cyclin dependant kinase inhibitors)

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発売日

2018 年 11 月

メーカー

日本イーライリリー株式会社

適応

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌

作用機序

細胞周期における G1 期の制限点での重要なレギュレーターであるCDK4 又は CDK6 は、サイクリン D(D1、D2 又は D3)と複合体を形成することで活性化し、retinoblastoma 蛋白(Rb)をリン酸化して不活性化させる。その結果、Rb は転写因子 E2F から解離し、細胞周期の進行に必要な遺伝子群の E2F 依存的な転写が開始される。アベマシクリブは CDK4 及び 6 による Rb のリン酸化を可逆的に阻害することで、細胞周期の進行を阻害して細胞増殖を抑制する。癌細胞がアベマシクリブに長時間曝露されると、細胞老化による不可逆的な増殖停止やアポトーシスが誘導される。

代謝などに関して

アベマシクリブは主として CYP3A により代謝される。

In vitro において、アベマシクリブ及びその主活性代謝物は腎トランスポーターOCT2、MATE1及び MATE2-K の阻害剤であることが示された。

また、in vitro において、アベマシクリブは P-gp 及び BCRP を阻害するため、治療域の狭いジゴキシン等の P-gp 及び BCRP の基質薬剤と併用した場合、薬物相互作用を示す可能性が考えられる。

相互作用

注意
本剤は、主に CYP3A により代謝される。

(1) 併用禁忌とその理由

特になし

(2) 併用注意とその理由

CYP3A阻害剤(イトラコナゾール クラリスロマイシン ジルチアゼム ベラパミル等 )

これらの薬剤がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。

グレープフルーツ、グレープフルーツジュース

これらがCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。

CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等)

これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。

重大な副作用

  • 肝機能障害
  • 重度の下痢
  • 骨髄抑制
  • 間質性肺疾患

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