アマンタジン(シンメトレル)の特徴

特徴的なポイント
・本剤は、A型インフルエンザウイルスに対し選択的に増殖を抑制することが発見され、1959年米国のDu Pont社において抗ウイルス剤として合成開発され、1967年より発売されている。
・1968年にSchwabによりパーキンソン症候群に対して有効であることが発見され、国内では抗パ-キンソン病剤として1975年に発売された。
・1997年末には新型のA型インフルエンザウイルス(H5N1)の出現が報告され、A型インフルエンザの世界的な大流行が危惧された。そのため日本において、インフルエンザ対策の必要性が論じられ、1998年11月に「A型インフルエンザウイルス感染症」の効能・効果が追加承認された。

構造式または示性式

アマンタジン(シンメトレル)

名前の由来

化学構造式が左右対象(symmetry)であることに由来している。

ステム

特になし

発売日

1975 年 12 月

メーカー

サンファーマ株式会社

適応

・パーキンソン症候群
・脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善
・A型インフルエンザウイルス感染症

作用機序

1.精神活動改善作用
高次中枢神経機能低下に対する薬物の改善効果を、前臨床的に評価する有効な方法は現在のところまだ開発されておらず、アマンタジン塩酸塩に関してもその作用機序は十分に解明されていないが、動物試験及び臨床薬理試験において、本剤は各種動物の脳内ドパミン、ノルアドレリナン及びセロトニン作動神経系に影響を及ぼすことにより、高次中枢神経系に対する機能改善作用を示す結果が得られている。
2.抗パーキンソン作用
アマンタジン塩酸塩のパーキンソン症候群に対する作用機序はまだ十分に解明されていない点もあるが、動物実験(ラット)においてドパミンの放出促進作用・再取り込み抑制作用・合成促進作用が認められている。これらの作用によりドパミン作動ニューロンの活性が高められ、機能的にアセチルコリン作動系が、カテコールアミン作動系に対して過動な状態にあるパ-キンソン症候群に対して、主としてドパミン作動神経系の活動を亢進することにより効果を示すものと考えられている。
3.A型インフルエンザウイルスに対する作用
アマンタジン塩酸塩の抗A型インフルエンザウイルス作用は、主として感染初期にウイルスの脱穀の段階を阻害し、ウイルスのリボヌクレオプロテインの細胞核内への輸送を阻止することにあると考えられる。

代謝などに関して

ヒトでの尿中代謝物はN-アセチル体が5~15%に認められたが、約80%は未変化体であった(外国人データ)。

相互作用

・併用禁忌とその理由
特になし
・併用注意とその理由
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗パーキンソン剤
レボドパ
抗コリン剤
プラミペキソール
タリペキソール
ドロキシドパ
中枢興奮剤
メタンフェタミン等
食欲抑制剤
マジンドール
幻覚、睡眠障害等の副作
用が増強されることがあ
るので用量に注意するこ
と。
いずれも中枢神経系刺激
作用を有するため。
抗パーキンソン剤
プラミペキソール
ジスキネジー、幻覚等の
副作用が増強することが
ある。
併用により双方あるいは
いずれかの薬剤の腎尿細
管分泌が減少し、腎クリ
アランスが低下すること
がある。
チアジド系利尿剤
カリウム保持性利尿剤
本剤の作用が増強され、
錯乱、幻覚、失調、ミオ
クロヌス等の副作用があ
らわれたとの報告がある
の で 用量 に注 意す る こ
と。
本剤の腎排泄が低下し血
中濃度の上昇を起こすた
め。
NMDA受容体拮抗剤
メマンチン等
相互に作用を増強させる
おそれがある。
両薬剤ともNMDA受容体拮
抗作用を有するため。

重大な副作用

1)悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満):急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがあるので、このような場合には再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、投与継続中にも同様の症状があらわれることがある。
2)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3)視力低下を伴うびまん性表在性角膜炎、角膜浮腫様症状(頻度不明):このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4)心不全(頻度不明):このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5)肝機能障害(頻度不明):AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6)腎障害(頻度不明):腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、腎機能が低下している患者では、本剤の排泄遅延が起こりやすい。
7)意識障害(昏睡を含む)(頻度不明)、精神症状(幻覚、妄想、せん妄: 5%未満、錯乱:0.1%未満等)、痙攣(0.1%未満)、ミオクロヌス(頻度不明)、異常行動(頻度不明):意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、せん妄、錯乱等)、痙攣、ミオクロヌスがみられることがある。このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能が低下している患者においてあらわれやすいので注意すること。因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。
8)横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

 

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