ラピアクタ(ペラミビル)の特徴・作用機序

特徴的なポイント
・本剤は,ノイラミニダーゼ阻害作用を有することから,A 型及び B 型インフルエンザウイルスに対して強い抗ウイルス活性を示し,A 型及び B 型インフルエンザウイルス感染症に対して有効性を示す薬剤として,2010 年 1 月に世界に先駆けて本邦で製造販売承認を取得し,発売した。
・点滴静注することで確実に血中へ移行し、 1 回の点滴静注で,A 型,B 型インフルエンザウイルス感染症に対しすぐれた有効性が期待できる。
・オセルタミビルリン酸塩に対して非劣性が示された。

構造式または示性式

ペラミビル水和物(ラピアクタ)

名前の由来

Rapid(敏捷な,素速い) + Action = Rapiacta

ステム

抗ウイルス剤:-vir

発売日

2010 年 1 月

メーカー

塩野義製薬株式会社

適応

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症

作用機序

ペラミビルはヒト A 型及び B 型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)を選択的に阻害する。インフルエンザウイルスの NA はシアル酸切断活性を有し,糖鎖末端のシアル酸を切断することで,子孫ウイルスが感染細胞の表面から遊離できるように働く。ペラミビルは NA を阻害することによって感染細胞の表面から子孫ウイルスが遊離するステップを抑制し,ウイルスが別の細胞へ拡散することを防ぎ,結果的にウイルス増殖抑制作用を示すと考えられる。

代謝などに関して

健康成人男性 6 例に 400 mg を単回点滴静注したときの血漿及び尿中に代謝物は検出されず,未変化体のみが検出された。

相互作用

(1) 併用禁忌とその理由
特になし
(2) 併用注意とその理由
特になし

重大な副作用

1) ショック,アナフィラキシー(頻度不明):ショック,アナフィラキシー(血圧低下,顔
面蒼白,冷汗,呼吸困難,蕁麻疹等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,
異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

重大な副作用(類薬)

他の抗インフルエンザウイルス薬で以下の重大な副作用が報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
1) 肺炎
2) 劇症肝炎
3) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群
(Stevens-Johnson 症候群)
4) 血小板減少
5) 精神・神経症状(意識障害,異常行動,譫妄,幻覚,妄想,痙攣等)
6) 出血性大腸炎

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