特徴的なポイント
・本剤は、感染細胞からウイルス粒子の遊離に不可欠な酵素であるノイラミニダーゼの活性を選択的に阻害する新しい機序により、抗インフルエンザウイルス作用を示す。
・本剤は吸入投与により、インフルエンザウイルスの主要な感染・増殖部位である気道粘膜上皮細胞の表面に直接分布して、A 型及び B 型インフルエンザウイルスに特異的に作用する薬剤である。
・耐性を生じにくく、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に対しても in vivo で効果が認められている。
構造式または示性式
名前の由来
relieveinfluenza より命名された。
ステム
抗ウイルス剤:-vir
ノイラミニダーゼ阻害剤:-amivir
発売日
2000年12月
メーカー
グラクソ・スミスクライン株式会社
適応
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防
作用機序
インフルエンザウイルスには、その表面にスパイク状のヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)が存在する。インフルエンザウイルスは、この HA と宿主細胞のシアル酸とを結合させ、宿主細胞内に侵入する。そして新たなウイルスを複製する過程を経て感染細胞から遊離し、次の宿主細胞へ結合することをくりかえすことにより、増殖し、感染を広げていく。
この増殖過程のうち、ウイルスが宿主細胞から遊離する際には、NA が HA とシアル酸との結合を切断する働きをする。ザナミビルは、このインフルエンザウイルスの NA の作用を特異的に阻害して、HA とシアル酸との結合の切断を妨げることにより、感染細胞からのウイルス粒子の遊離を阻害し、インフルエンザウイルスの感染の拡大を阻止する。
この増殖過程のうち、ウイルスが宿主細胞から遊離する際には、NA が HA とシアル酸との結合を切断する働きをする。ザナミビルは、このインフルエンザウイルスの NA の作用を特異的に阻害して、HA とシアル酸との結合の切断を妨げることにより、感染細胞からのウイルス粒子の遊離を阻害し、インフルエンザウイルスの感染の拡大を阻止する。
代謝などに関して
健康成人にザナミビルを静脈内投与した結果、投与後 24 時間までの尿中にザナミビルが未変化体として約85~95%排泄されている(外国人データ)ことから、本薬はほとんど代謝を受けないと考えられる。
相互作用
(1)併用禁忌とその理由
特になし
(2)併用注意とその理由
特になし
特になし
(2)併用注意とその理由
特になし
重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫等)(頻度不明)が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)気管支攣縮、呼吸困難:気管支攣縮、呼吸困難(いずれも頻度不明)が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑(いずれも頻度不明)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4)異常行動:因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)(0.06%)があらわれることがある。
2)気管支攣縮、呼吸困難:気管支攣縮、呼吸困難(いずれも頻度不明)が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑(いずれも頻度不明)等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4)異常行動:因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)(0.06%)があらわれることがある。
その他の注意点
本剤は、夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物を使用しており、乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者に投与した際にアナフィラキシーがあらわれたとの報告があるので、投与に際しては十分に注意すること。