【2024年8月30日発売】ブリィビアクト錠25mg、同錠50mg(ブリーバラセタム)の特徴・作用機序

開発の経緯について
ブリーバラセタム(以下、BRV)はベルギーのUCB Pharma S.A.で開発された抗てんかん薬である。BRVは2ピロリドン誘導体で、脳内のシナプス小胞蛋白質2A(SV2A)に対して高い親和性を示し、選択的に結合するBRVとSV2Aの結合が発作抑制作用に寄与しているものと考えられている。BRVは最大電撃けいれん発作及びペンチレンテトラゾール誘発けいれん発作などの抗てんかん薬用スクリーニングモデルにおいて発作抑制効果を示し、各種てんかんモデル動物(部分てんかん、薬剤耐性てんかん、全般てんかん及び重積状態)においても、非毒性量で発作抑制作用を示した。また、動物及びヒトにおいてBRVは100%に近い経口バイオアベイラビリティを示した。
以上のことから、欧州及び米国等で臨床試験が開始され、2016年に欧州等で「成人てんかん患者の部分発作に対する併用療法」として(経口剤51か国、静注用製剤47か国)、また、米国では2017年9月に、「16歳以上の部分発作を有するてんかん患者に対する単剤療法」としても、外挿に基づいて承認を取得した。
本邦において、BRVは海外と同様に、成人てんかん患者における「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」に対する適応を取得することを目標として、2008年2月より、ユーシービージャパン株式会社が本邦での開発を開始し、第III相臨床試験(EP0083試験)及びその継続投与試験(EP0085試験)においてBRVの海外臨床試験と同様の有効性及び安全性の効果が確認された。また、「一時的に経口投与ができないてんかん患者における部分発作(二次性全般化発作を含む)の治療に対するBRV経口製剤の代替療法」を適応とした静注用製剤も開発し、本適応取得のために計画した臨床試験(RP0117及びEP0118試験)を完了した。さらに「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤療法」の適応についても、併用療法から単剤療法への外挿が認められ、錠剤及び静注用製剤について、併用療法と単剤療法の適応を併せて「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を効能又は効果とする製造販売承認申請を行い、2024年6月24日に承認を取得した。

作用機序

ブリーバラセタム(BRV)は、脳内の神経終末のSV2Aに対する親和性を示し、選択的に結合する。また、BRVは、化学物質誘発けいれん発作、部分発作、全般発作、ミオクローヌス、およびてんかん重積状態の各動物モデルでの発作抑制作用が認められている。
これらの結果、およびレベチラセタムにより既に臨床的に検証済みの主要な脳内のSV2Aを介した作用機序をふまえると、SV2Aへの結合がBRVのてんかんに対する発作抑制作用に寄与しているものと考えられる。

製品情報

商品名ブリィビアクト錠25mg/ブリィビアクト錠50mg
一般名
(洋名)
ブリィビアクト
(Brivaracetam)
承認年月日2024年6月24日
発売年月日2024年8月30日
メーカーユーシービージャパン(株)
名前の由来不明
ステムアミド型向知性薬、ピラセタム誘導体:-racetam

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効能又は効果

てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)

禁忌
本剤の成分又はピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者

用法及び用量

通常、成人にはブリーバラセタムとして1日50mgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日200mgを超えない範囲で適宜増減できる。

注意
連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

代謝・代謝酵素について

ブリーバラセタムは主にアミダーゼにより加水分解されカルボン酸代謝物が生成し、副次的にCYP2C19により水酸化代謝物が生成する。また、カルボン酸代謝物の代謝にはCYP2C9が関与する。

食事の影響

健康成人25例にブリーバラセタム50mgを空腹時又は高脂肪食の食後に単回経口投与したとき、空腹時と比べて、食後投与時ではtmaxが約2.5時間延長し、Cmaxは37%低下したが、AUCは同等であった(外国人データ)。

副作用(抜粋)

重大な副作用として、攻撃性等の精神症状があらわれることがある(0.3%)。

その他、3%以上の副作用として、傾眠(14.9%)、浮動性めまい(10.9%)、疲労が報告されている。

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情報更新日:2024年8月

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