レミケード(インフリキシマブ)の特徴・作用機序

特徴的なポイント
・遺伝子組換え技術によって開発された抗ヒト TNF(腫瘍壊死因子)a モノクローナル抗体である。
・世界初の抗ヒト TNFa モノクローナル抗体製剤であり、2017年現在では世界103ヵ国で承認されている。
・キメラ型の抗体製剤である。
・関節リウマチに用いる場合は、メトトレキサート製剤と併用して用いる必要がある。

構造式または示性式

名前の由来

REMI-(remedy:治療),-CADE(aid:支援)に由来

ステム

モノクロナール抗体(キメラ型):-mab(-ximab)

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発売日

2002 年 5 月

メーカー

田辺三菱製薬株式会社

適応

◆既存治療で効果不十分な下記疾患
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症
強直性脊椎炎
腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病
川崎病の急性期
次のいずれかの状態を示すクローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
中等度から重度の活動期にある患者
外瘻を有する患者
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)

作用機序

インフリキシマブはクローン病や関節リウマチの病態形成に密接に関与している TNFa の作用を阻害する。その機序は可溶性 TNFa の生物活性を中和するとともに,膜結合型TNFa 発現細胞を CDC(補体依存性細胞傷害)あるいは ADCC(抗体依存性細胞媒介型細胞傷害)により傷害すること,ならびに受容体に結合した TNFa を解離させることによりTNFa の作用を阻害すると考えられている。

代謝などに関して

インフリキシマブの定常領域はヒト IgG1 と同一であることから,ヒト IgG1 と同様の経路で代謝されるものと推測されている。

相互作用

(1) 併用禁忌とその理由

特になし

(2) 併用注意とその理由

特になし

重大な副作用

  • 感染症(3.5%)
  • 結核(0.3%)
  • 重篤な infusion reaction(0.6%)
  • 脱髄疾患(0.1%)
  • 間質性肺炎(0.5%)
  • 肝機能障害(0.1%)
  • 遅発性過敏症(0.6%)
  • 抗 dsDNA 抗体の陽性化を伴うループス様症候群(0.4%)
  • 重篤な血液障害(0.1%)
  • 横紋筋融解症(0.01%)

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