【2024年11月20日発売】オータイロカプセル40mg(レポトレクチニブ)の特徴、作用機序

『みなさん、こんにちは。今回は2024年11月に新たに発売された非小細胞肺がん治療薬「オータイロ」について、簡単にまとめました。』

はじめに:オータイロとは

オータイロカプセル40mg(一般名:レポトレクチニブ)は、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)を対象とした経口チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)です。ROS1融合遺伝子はNSCLCの約1%に認められ、若年女性や非喫煙者に多くみられる特徴があります。

製品概要

  • 製品名:オータイロカプセル40mg
  • 一般名:レポトレクチニブ
  • 製造販売元:ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
  • 承認日:2024年9月24日
  • 薬価基準収載日・発売日:2024年11月20日
  • 薬効分類:抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤
  • 規制区分:処方箋医薬品・劇薬

作用機序と特徴

レポトレクチニブは、ROS1融合タンパク質などの異常チロシンキナーゼ活性を阻害し、腫瘍細胞の増殖に関わる下流シグナル伝達のリン酸化を抑制することで抗腫瘍効果を発揮します。既存のTKIと比較して分子量が小さく、大環状構造により耐性変異にも対応可能であるとされています。

効能・効果・適応症

ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法・用量と投与時の注意点

通常、成人には1回160mgを1日1回14日間経口投与し、その後160mgを1日2回投与します。副作用や忍容性に応じて段階的な減量(120mg・80mg)が可能です。間質性肺疾患や中枢神経系障害が現れた場合は休薬・中止の判断が求められます。

相互作用・代謝経路

主にCYP3A4により代謝され、P-gpの基質でもあります。CYP3A阻害剤(例:イトラコナゾール)や誘導剤(例:リファンピシン)、P-gp阻害剤との併用は血中濃度変動に注意が必要です。CYP3A誘導作用により他薬剤の血中濃度に影響することもあります。

食事の影響について

高脂肪食と併用するとCmaxが約2.5倍、AUCが約1.5倍に上昇しますが、臨床的に大きな影響はないと考えられます。通常の食事での服用は可能ですが、可能であれば空腹時が推奨されます。

主な副作用と安全性情報

  • 浮動性めまい(57.7%)
  • 味覚不全(48.7%)
  • 錯感覚、便秘、貧血、運動失調など
  • 重大な副作用:間質性肺疾患、中枢神経系障害

副作用の発現率は高く、特に初期は入院下での経過観察が推奨されます。

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

  • 中枢神経症状の早期発見を促す指導
  • 間質性肺疾患の初期症状(咳、息切れ、発熱)を要確認
  • CYP3A4阻害剤・誘導剤の併用について服薬歴の確認

一言アドバイス:「副作用は多彩ですが、患者さんへの丁寧な説明と観察が鍵です!」

処方時のチェックリスト(医師向け)

  • ROS1融合遺伝子陽性の確認(承認コンパニオン診断:AmoyDx)
  • 中枢神経症状・間質性肺疾患の有無
  • 併用薬の確認(CYP3A4/P-gp関連)
  • 投与初期は入院または厳重な管理下で実施

まとめ

『オータイロは、既存のROS1-TKIに対する耐性変異にも対応可能な新しい選択肢です。副作用管理をしっかり行えば、治療の幅を広げる心強い味方になりそうです♪』

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