【2024年11月20日発売】ロゼバラミン筋注用25mg(メコバラミン)の特徴、作用機序

『みなさん、こんにちは。今回は2024年11月に新たに発売されたALS治療薬「ロゼバラミン」について、簡単にまとめました。』

はじめに:ロゼバラミンとは

ロゼバラミン筋注用25mg(一般名:メコバラミン)は、2024年11月20日にエーザイ株式会社から発売された筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制を目的とした注射剤です。ALSは進行性で難治性の神経変性疾患であり、呼吸筋麻痺による呼吸不全が主な死亡原因です。本剤は、既存のビタミンB12製剤とは異なり、高用量でALSに適応を持つ国内初の筋注用メコバラミン製剤です。

製品概要

  • 製品名:ロゼバラミン筋注用25mg
  • 一般名:メコバラミン
  • 製造販売元:エーザイ株式会社
  • 承認日:2024年9月24日
  • 薬価基準収載日・発売日:2024年11月20日
  • 規制区分:処方箋医薬品
  • 剤形:凍結乾燥注射剤
  • 保存方法・有効期間:室温保存、5年

作用機序と特徴

メコバラミンは活性型ビタミンB12で、ホモシステインからメチオニンを合成する酵素の補酵素として機能します。これにより神経変性の抑制に寄与すると考えられています。また、S-アデノシルメチオニンを介した神経修復作用も示唆されており、ALSにおける機能低下の進行を抑制する可能性があります。

効能・効果・適応症

筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制

用法・用量と投与時の注意点

通常、成人にはメコバラミンとして50mgを1日1回、週2回筋肉内に注射します。初回は医療機関で医師の監督のもとで実施され、在宅自己注射は医師の判断により可能です。溶解後は遮光の上、60分以内に使用する必要があります。

相互作用・代謝経路

メコバラミンは代謝されにくく、主に未変化体として尿中に排泄されます。薬物代謝酵素との相互作用の報告はありません。

食事の影響について

注射剤であるため、経口摂取に伴う食事の影響は受けません。

主な副作用と安全性情報

  • アナフィラキシー(頻度不明)
  • 発疹、注射部位反応、頭痛、発熱感
  • 副作用発現率はプラセボ群1.6%、50mg群7.7%

重大な副作用としてアナフィラキシーが報告されています。使用時は観察を十分に行い、異常があれば速やかに対応してください。

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

  • 使用直前に溶解し、遮光のうえ速やかに投与する
  • 自己注射指導時は衛生管理や注射部位の変更を徹底
  • 副作用の初期症状(発疹、発熱など)を説明

一言アドバイス:「光分解に注意!遮光と速やかな使用を徹底しましょう。」

処方時のチェックリスト(医師向け)

  • ALS診断確定および罹病期間12か月以内
  • ALS重症度、肺機能(%FVC)を確認
  • 自己注射が可能か、患者教育の実施
  • 副作用の早期対応体制の確認

まとめ

『ロゼバラミンは、ALS患者に新たな治療の選択肢を提供する注射剤です。在宅治療の選択肢としても期待されており、患者のQOL向上に貢献することが期待されますね。』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です