ゼビュディ点滴静注液(ソトロビマブ)の特徴・作用機序

開発の経緯について

 ゼビュディ(一般名:ソトロビマブ、以下「本剤」)は、2019 年 12 月に初めて報告された重度の肺炎を引き起こす新種のベータコロナウイルス属のコロナウイルスである SARS-CoV-2 による感染症(COVID-19)患者に対する治療法として Vir Biotechnology 社により創製された完全ヒト免疫グロブリン G1(IgG1)モノクローナル抗体であり、GlaxoSmithKline 社は本剤の開発・販売について提携している。
 本剤は、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(Receptor-binding domain(RBD))上のアンジオテンシン変換酵素 2(ACE2)受容体結合部位とは異なる部位に結合し、SARS-CoV-2 に対する中和作用を示す。また、in vitro において、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質を発現する細胞に対し抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性を誘導した。
 海外では SARS-CoV-2 による感染症患者を対象とした本剤の臨床試験が複数実施されており、このうち海外第Ⅱ/Ⅲ相試験(COMET-ICE 試験)は、18 歳以上の疾患進行リスクを有する SARS-CoV-2 による感染症外来患者を対象に実施され、本剤の有効性と安全性が評価された。欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)は、2021 年 5 月に、本剤について肯定的な科学的見解を示している。米国では 2021 年 5 月に本剤の緊急使用許可が取得されている。また、2021 年 8 月 20 日、オーストラリアで承認を取得した。
 本邦では上記COMET-ICE試験の結果に基づき2021年9月6日に本剤の医薬品製造販売承認申請を行った。その結果、本剤は「SARS-CoV-2 による感染症」を効能又は効果として、2021 年 9 月に特例承認を取得した。

作用機序

 ソトロビマブは、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)上のアンジオテンシン変換酵素 2(ACE2)受容体結合部位とは異なる部位に結合する完全ヒト IgG1 モノクローナル抗体であり、SARS-CoV-2 に対する中和作用を示す。また、in vitro において、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質を発現する細胞に対し抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性を誘導した。

製品情報

商品名ゼビュディ点滴静注液 500mg
一般名
(洋名)
ソトロビマブ
(Sotrovimab)
発売年月日2021年9月29日
メーカーグラクソ・スミスクライン株式会社
ステム抗ウイルスモノクローナル抗体:-vimab

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効能又は効果

SARS-CoV-2による感染症

禁忌

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

用法及び用量

通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、ソトロビマブ(遺伝子組換え)として500mgを単回点滴静注する。

調製時・投与時の注意

・SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与すること。症状発現から1週間程度までを目安に投与することが望ましい。
・本剤は生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で用時希釈して使用すること。希釈前に生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液の点滴バッグ(50mL又は100mL)から8mLをあらかじめ抜き取っておくこと。
・他の薬剤と同時に投与しないこと。生理食塩液又は 5%ブドウ糖注射液以外との適合性は不明である。
・タンパク質低吸着性の 0.2μm のインラインフィルター(ポリエーテルスルホン製等)を使用することが望ましい。
・点滴静注は室温で30分かけて行うこと。

代謝・代謝酵素について

ヒト型 IgG1 抗体であるソトロビマブは、内因性 IgGと同様に異化作用により除去されると考えられる。

食事の影響

該当資料なし

副作用(抜粋)

重大な副作用として、アナフィラキシーを含む重篤な過敏症、infusion reaction があらわれることがある。

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