【2025年8月27日発売】ポムビリティ点滴静注用105mg(シパグルコシダーゼ アルファ)の特徴、作用機序

『みなさん、こんにちは。今回は2025年8月に新たに発売されたポンペ病治療薬「ポムビリティ点滴静注用105mg」について、簡単にまとめました。』

はじめに: ポムビリティとは

ポンペ病(糖原病II型)は、酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝的欠損により、ライソゾーム内にグリコーゲンが蓄積し、心臓・骨格筋・肝臓などに障害を及ぼす希少かつ致死性の疾患です。国内患者数は推定124人で、小児慢性特定疾病および指定難病に指定されています。
発症形式は乳児型と遅発型に分かれ、遅発型では進行性の筋力低下や呼吸不全が問題となり、歩行補助や人工呼吸管理が必要となることがあります。従来はアルグルコシダーゼ アルファやアバルグルコシダーゼ アルファによる酵素補充療法(ERT)が標準でしたが、治療抵抗性が課題となっていました。
新たに登場したポムビリティ(一般名:シパグルコシダーゼ アルファ)は、GAAの酵素補充を目的とした改良型のERTであり、オプフォルダ(一般名:ミグルスタット)との併用で使用されます。

製品概要

  • 商品名: ポムビリティ点滴静注用105mg
  • 一般名: シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
  • 薬効分類: 遺伝子組換えポンペ病治療剤
  • 製造販売元: アミカス・セラピューティクス(株)
  • 承認日: 2025年6月24日
  • 薬価収載日: 2025年8月14日
  • 発売日: 2025年8月27日

作用機序と特徴

ポムビリティは遺伝子組換えヒト酸性α-グルコシダーゼであり、既存のアルグルコシダーゼ製剤と比較してマンノース-6-リン酸(M6P)受容体との結合能が高いbis-M6Pを多く含みます。これにより細胞内取込みとライソゾーム送達が強化され、筋組織に蓄積したグリコーゲンを効率的に分解します。
単独では血中で不活性化されやすい特徴がありますが、併用薬オプフォルダが安定化因子として働くことで、酵素の活性を維持しライソゾーム内での効果を高めます。

効能・効果・適応症

成人の遅発型ポンペ病に対する「ミグルスタット(オプフォルダ)」との併用療法。

用法・用量と投与時の注意点

  • 通常、体重40kg以上の成人に1回20mg/kgを隔週で点滴静注
  • ミグルスタット(オプフォルダ)投与の1時間後に投与開始
  • 初回は1mg/kg/時以下で開始し、最大7mg/kg/時まで漸増可
  • 投与は約4時間かけて行う
  • ミグルスタット(オプフォルダ)投与後3時間以内に開始できない場合は、24時間以上あけて再実施

相互作用・代謝経路

ポムビリティは糖タンパク質で、腎排泄や代謝酵素への影響は限定的です。ミグルスタットと併用することで安定性と効果が増大します。
CYP酵素や一般的な薬物代謝への影響は小さいとされています。

食事の影響について

ポムビリティは点滴静注薬であるため、食事の影響は受けません。ただし、併用するオプフォルダは食事による吸収変動があるため、投与間隔の調整が必要です。

主な副作用と安全性情報

  • 重大な副作用: infusion reaction(23.5%)、アナフィラキシー(1.2%)
  • その他の副作用: 頭痛、発熱、悪心、蕁麻疹、そう痒症、呼吸困難、筋肉痛、倦怠感など
  • 臨床試験では投与52週までに約30%で副作用が報告されました
  • 抗薬物抗体の発現率は高く、治療歴に関わらず約90%以上で認められています

処方時のチェックリスト(医師向け)

  • 適応は「成人遅発型ポンペ病」であるか
  • 必ずオプフォルダ(ミグルスタット)との併用であるか
  • アナフィラキシーやinfusion reactionの既往がないか
  • 心・呼吸機能が低下していないかを確認
  • 投与中・投与後の救急対応体制を確保

服薬指導のポイント(薬剤師向け)

  • ポムビリティは点滴で投与されるが、併用するオプフォルダは経口薬である点を説明
  • オプフォルダは食前後2時間を避けて服用することを徹底
  • 投与当日のスケジュールを患者に明確に伝える
  • 副作用(発熱、頭痛、蕁麻疹など)が出た場合はすぐ報告するように指導

ケアポイント(看護師向け)

  • 投与中はバイタルサインを30分ごとに確認
  • infusion reaction(発熱・悪寒・発疹など)出現時は投与中止・救急対応
  • 点滴速度を調整しながら投与を進める
  • 患者・家族に治療スケジュールを分かりやすく説明

まとめ

『ポムビリティは、これまでの酵素補充療法に比べて改良された新しいERTです。オプフォルダとの併用により、患者さんの生活の質の向上に大きな一歩をもたらすことが期待されますね。』

執筆者:薬剤師[博士(薬学)]
参考・引用資料:添付文書、インタビューフォーム、適正使用ガイド、メーカープレスリリース資料など
※掲載内容には細心の注意を払っておりますが、古い情報や誤りがある場合がございます。最新の添付文書などをご確認ください。
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