ボラザG坐剤(トリベノシド・リドカイン)の特徴・作用機序

開発の経緯について

 トリベノシドはスイス CIBA-GEIGY 社化学研究所の Huber らにより、1957 年合成された六炭糖 Glucofuranose の誘導体である。
 同社では外部からの各種侵襲(感染、中毒、アレルギー、外傷等)に対する生体の非特異的抵抗性を増強する物質として多糖類に注目し、その使用上の欠点を補って低分子で抗原性がなく経口で吸収され、かつ安定性の良い物質を求めて多くの糖誘導体が合成ならびにスクリーニングされた。その中で、循環障害改善作用、抗浮腫作用、創傷治癒促進作用等の薬理作用を有するトリベノシドが見出され製品化された。わが国においては、その 200mg を含有する軟カプセル剤が経口痔核治療剤ヘモクロン®の商品名(現ヘモクロンカプセル 200mg)で武田薬品工業から 1978 年に製造発売された。1988年 3 月に武田薬品工業から天藤製薬に輸入承認が承継され、現在は天藤製薬製造販売・武田薬品工業販売となっている。
 痔核に対する薬物療法としては、坐剤による局所療法と経口剤療法が患者個々の病態等により使い分けられ、あるいは併用されているのが現状である。
ボラザ®G 坐剤は薬物を患部に直接適用させ、同時にトリベノシド経口剤で低頻度ながらみられた胃腸症状や発疹等の発現をさらに減少させることを意図して開発されたトリベノシドとリドカインの配合坐剤である。
 リドカインは、第十七改正日本薬局方にも収載され再評価も終了している局所麻酔剤で、局所の疼痛緩解を目的として痔核治療用坐剤に基本処方の一つとして広く使用されている。
 本剤は、わが国で行った基礎実験において創傷治癒促進作用、抗浮腫作用、表面麻酔作用を有し、また臨床試験では二重盲検比較対照試験により効果が確認され、1982 年 12月に製造承認された。

作用機序

抗浮腫作用 、創傷治癒促進作用、循環障害改善作用、表面麻酔作用を有する

製品情報

商品名ボラザG坐剤
一般名
(洋名)
トリベノシド、リドカイン
(Tribenoside、Lidocaine)
発売年月日1983 年 4 月 11 日
メーカー天藤製薬株式会社
名前の由来なし
ステムなし

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効能又は効果

内痔核に伴う症状の緩解

禁忌

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・トリベノシド又はアニリド系局所麻酔剤(リドカイン等)に対し過敏症の既往歴のある患者

用法及び用量

通常1回1個ずつ(トリベノシドとして200mg、リドカインとして40mg)、1日2回朝夕肛門内に挿入する。
症状に応じて適宜増減する。

代謝・代謝酵素について

該当データなし。

食事の影響

該当データなし

副作用(抜粋)

主な副作用は発疹、肛門そう痒等の皮膚症状 27 例(0.24%)、下痢等の消化器症状 15 例(0.13%)、局所の刺激感 6 例(0.05%)等である。
重大な副作用として、アナフィラキシー(頻度不明)が報告されている。

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情報更新日:2022年2月

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