ゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル)の特徴・作用機序

特徴的なポイント
・単回経口投与により優れた効果を発揮する抗インフルエンザウイルス剤である。
・インフルエンザウイルス特有の酵素であるキャップ依存性エンドヌクレアーゼの活性を選択的に阻害し,ウイルスの mRNA 合成を阻害することでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する新しい作用機序を有する抗インフルエンザウイルス剤である。
・ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスに対する抗ウイルス作用を示す。

構造式または示性式

バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)

名前の由来

XO(ノックアウト,~がない)+ influenza = Xofluza

ステム

抗ウイルス剤:-vir

発売日

2018 年 3 月 

メーカー

塩野義製薬株式会社

適応

A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症

作用機序

バロキサビル マルボキシル活性体は,A 型及び B 型インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害する。キャップ依存性エンドヌクレアーゼは,宿主細胞由来 mRNA 前駆体を特異的に切断する酵素であり,ウイルスmRNA 合成に必要なプライマーとなる RNA 断片を生成する。バロキサビル マルボキシル活性体は,キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害し,ウイルス mRNA の合成を阻害することにより,ウイルス増殖抑制作用を発揮する 。

代謝などに関して

In vitro 代謝試験の結果,バロキサビル マルボキシル活性体は UGT1A3 によりグルクロン酸抱合体に代謝され,CYP3A によりスルホキシド体に代謝されると推定された。また,ヒト肝ミクロソームを用いた in vitro 試験において,バロキサビル マルボキシルはCYP2B6,CYP2C8 及び CYP3A を,バロキサビル マルボキシル活性体は CYP2B6 及びCYP3A を濃度依存的に弱く阻害した。
In vitro 試験において,バロキサビル マルボキシルは P-糖蛋白を阻害し,バロキサビル マルボキシル活性体は P-糖蛋白及び BCRP を阻害した。
In vitro 試験において,バロキサビル マルボキシル及びその活性体は P-糖蛋白の基質であることが示された。

相互作用


併用禁忌とその理由

特になし

併用注意とその理由

特になし

重大な副作用

  • 異常行動(頻度不明)

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