
『みなさん、こんにちは。今回は2025年7月に新たに発売された食道がん治療薬「テビムブラ」について、簡単にまとめました。』
はじめに:テビムブラとは
テビムブラ点滴静注100mg(一般名:チスレリズマブ)は、根治切除不能な進行・再発の食道がんの治療に用いられるヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体製剤です。食道がんは国内でも罹患率・死亡率ともに高く、特に男性に多い傾向があります。主に扁平上皮がんが大多数を占めており、進行・再発例では治療選択肢が限られていました。近年、免疫チェックポイント阻害薬の導入によって、生存期間延長やQOL向上が期待されるようになりました。
テビムブラは、フルオロウラシル・シスプラチンとの併用または単剤投与が可能で、複数の国際共同試験で生存期間の延長効果が示されています。PD-1阻害剤による免疫療法の新たな選択肢として注目されています。
製品概要
- 商品名:テビムブラ点滴静注100mg
- 一般名:チスレリズマブ(遺伝子組換え)
- 製造販売元:ビーワン・メディシンズ合同会社
- 薬効分類:その他の腫瘍用薬
- 効能・効果:根治切除不能な進行・再発の食道癌
- 承認日:2025年3月27日 発売日:2025年7月1日
- 包装:10mL[1バイアル]
作用機序と特徴
テビムブラ(チスレリズマブ)は、ヒトPD-1に対するモノクローナル抗体で、PD-1とそのリガンド(PD-L1、PD-L2)との結合を阻害します。これにより、がん抗原特異的T細胞の増殖・活性化・腫瘍細胞への傷害活性を高め、腫瘍増殖を抑制すると考えられています。
効能・効果・適応症
根治切除不能な進行・再発の食道癌
(手術の補助療法としての有効性・安全性は確立していません)
用法・用量と投与時の注意点
・通常、成人にはチスレリズマブ200mgを3週間間隔で60分かけて点滴静注します。
・フルオロウラシルおよびシスプラチンとの併用療法が標準ですが、化学療法後に増悪した場合は単剤投与も可能です。
・初回投与で忍容性良好なら2回目以降は30分まで投与時間短縮可能。
・重篤な副作用発現時には投与中止・休薬等を適宜検討します。
相互作用・代謝経路
特記すべき薬物相互作用はありませんが、他の抗腫瘍薬等との同時混注は避けてください。
生物学的製剤につき投与後も副作用管理・観察が必要です。
食事の影響について
食事による影響は特にありません。
主な副作用と安全性情報
- 主な副作用:貧血、好中球減少、食欲減退、悪心、AST/ALT増加、下痢、発疹、疲労など
- 重大な副作用:間質性肺疾患、肝機能障害、皮膚障害(SJS/TEN)、内分泌障害(甲状腺、副腎、下垂体)、1型糖尿病、腎障害、心筋炎、神経障害、血液障害、静脈血栓塞栓症、Infusion reaction、結核 など
副作用が発現した場合は、グレード等に応じて速やかに休薬・中止・適切な処置を行います。
処方時のチェックリスト(医師向け)
- 進行・再発食道がん(ESCC等)で切除不能例か確認
- 自己免疫疾患・間質性肺疾患・臓器移植・結核等の既往有無
- 重篤な副作用発現時の対応体制(特に間質性肺疾患、肝障害、内分泌障害など)
- 定期的な胸部画像・肝腎機能・内分泌機能のモニタリング
- 家族への治療説明・同意取得
服薬指導のポイント(薬剤師向け)
- 投与間隔や治療期間の説明
- 投与時・投与後の体調変化(息切れ、発熱、下痢、皮疹など)は速やかに医療機関へ連絡
- 自己免疫関連副作用や感染症兆候について説明
ケアポイント(看護師向け)
- 投与時のバイタルチェック・Infusion reaction対策
- 間質性肺疾患・肝機能障害・内分泌障害等の早期発見・症状観察
- 点滴部位や全身症状の観察と記録
- 治療継続の心理的サポート・家族支援
まとめ

『テビムブラは、進行・再発食道がんの治療選択肢を広げる新しい免疫チェックポイント阻害剤です。多職種連携で患者さんのQOL向上を目指しましょう。』
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